#5 裸婦は語る

どうにも画家が薄ぼやけた人だったというか。
性格から行動からなにからそんな感じだったもので、特にそれで問題があるわけでもなかったんですが、結局感情の爆発を一度として見せることがなかったもので(一瞬で構わないんだけど)、なんとも全体的に消化不良のイメージが。
事件そのものもそんな感じだったしなぁ、盗まれたと見せ掛けて!
ということなのかと思っていたので焦ってたのかと勝手に思っちゃったよ、まあ、罪の意識がそんな行動を取らせたと思えば納得が出来ないわけでもないんですが。そこ止まりっちゃあそこ止まりというか「ああそうですか」というのが結論というか。
いっそなんの罪も犯してないほうがよっぽど合点がいったかも。


いや、薄ぼんやりした人が薄ぼんやりと通り過ぎた、みたいな。
よく考えてみれば声を荒げていることがないでもなかったんですが、それも全部作り物みたいに見えたというか、実際作り物だったので齟齬はどこにもないんですが、その薄ぼんやりしたところすら強調してもらえなかったというか、なんの意味もなくぼんやりさん。
違和感はないのに消化不良、あああ、すっきりしなさすぎる。


とある画家のアトリエで、彼の当面のモデルが階段から転落死。
画家が言うことは二転三転し、証拠が出てくると素直に語るものの証拠が出てこない限りなんでもかんでも隠す。そんなことするから調べられてしまうというか、右京さんいなくてもモデル殺しでは疑われそうなくらいには疑わしかったわけですが。
動機すらなんかこう、、、あああ、すっきりしないぃぃ。