#1 複眼の法廷

陪審員制度導入がテーマという段階で大概大胆がすぎるような気もしますが。
「いくらなんでもこんなにいっぺんにいろいろは起らないだろ」とは思いますものの、一つずつなら案外リアリティがないわけでもないなぁ、としみじみと。しかしまあ、特に毒が利いているのはなんの他意もない善良な“残り”の五人なような気がするという。
強い意見には引き摺られるわ、マスコミの意見は気にするわ、懲役決めるのはまだだっつってんのに何度止められてもぎゃーつく騒いでるわ。胸に秘めた思いのあった彼女も皮肉ではあったのですが、あれはあれで意図があるのなら不思議でもないわけですよ。
とはいえ、フィクションの描く領域はそこだとは思いますもので。
(でも、前に見た模擬裁判とそっくりー、日本人特有というか。)
現実に物申す! というのはエンターテイメントとして素晴らしいかと言われたら、私は創り手の娯楽だと思うんですが(自己満足ではなく)、娯楽が許せる程度の地位をこつこつとこの番組は作り上げてきたとも思いはします。


とある巡査が巡回中に撃たれて死亡し。
数年前に彼が捕らえた拳銃の密売人がその前日彼の交番を訪ねていましてスピード逮捕、自供も証言によっての凶器の発見もされまして、まあ簡単な事件だな、ということで陪審員制度導入の第一弾と選ばれることになりましたら。


とにかくまあ、あらん限りの波乱万丈でした、というお話でした。
警察と裁判官(陪審員)とマスコミと裁判官(判事)が、しかしそれぞれは人によっては己なりの正義感や些細な罪だったりするんですけどね。