第十話

そういえば一時期わりといじめがテーマの二時間ドラマが流行ったような気がしなくもないですが(たまに思い出したみたいに流行る)、その口封じに“殺し”があった話があったかなかったかがよく思い出せません。つーか、たかが学校でそう完璧に覆い隠せるわけがないと思うんですが正直、、、それが案外通用しないでもないのが日本特有というのかなんというのか。
「いじめられたら恥じよ」というのはちょっと独特かなぁ、という気はします。
やられたらやり返せというのならともかく、そこまで気を廻す余裕とかないよんってわけでもなく、皆でいじめを行う人を尊重しよう! という方向に行ってしまうのは、うーん、さすがに世界で珍しくあって欲しいです。
やった側とやられた側が諸共に切り捨てられるのは、なんかしょうがないという気がしないでもない。てか、自分で表現しててちょっと嫌味キツいよ、とは思うんですが、別にさして間違ってはないのがすごいなぁ;


というわけで、いきなりリアルを語ってすみません、ドラマですこれは。
よく、たかがフィクションなんだから人間の描写が酷くても気にしない、というような言い回しをされている方がおられるのですが、最初から作り物であるからこそ人間の描き方が余計気になる性質です、私は。
だって、作り物の方向性って“娯楽”じゃん。
酷いかろうが気にしない、という問題ではなく、世の中に「ソレ」を見て快楽を感じている人がいるという状況にちょっと耐えられないものがあります。それ自体を非難はしないものの、押し付けられたら嫌ですよ、どう考えても。




というわけで、副校長が可愛くなってきました、悪役だけど!
(それが言いたかったんかい。)
そして息子はなに考えてるかさっぱりわかんなくて不気味ですが「僕が悪いヤツをやっつけてあげる」という発言があったところが更に輪を掛けて不気味です。


え、いえいえいえいえ、数年前のもうとっくに発覚してて、というか多分隠してもいなかった事件、すでに服役して裁かれたあとのことではなく。
こないだの赤く染まったシャツはなんなんじゃいと。
まあ喧嘩などならともかくして、いや男の子だしね。
ナイフ持ち出す前にもう少し踏むべき段階があると思うよね(踏んだらいいんかい)(わかんない)。そしてそこでこれはなにって聞くべきじゃないか副校長、とは思うものの、まあ無理もねーレベルだなー、あれは怖いわ正直、と思えないでもないですよ。


てゆーか、“カネヨシ リク”君の証言の回でした。


明日香嬢に付き合って欲しいと言われ、振ったらその後嫌がらせを受け、その結果皆で無視をしたことはありますが、というような発言内容でした。えーと、すでにある証言と比べて統合性が取れているような気はしないのですが、第三者はどう思うんでしょうか。
人望があるほうが信用がおけるって思うものなのかなぁ?
でも長期いじめって一人きりじゃ無理だよね、統率力ないとなー。


まあつまり、裁判官がその手の機微を知らないと踏んだ相手側弁護士の算段による証言シナリオだと見るといいのかもしれません。かなりムカついていることに、自分で書いていてびっくりですが。
理屈がなってない人間は嫌いです、行動は悪でも善でも別にいいけど。
前回までの相手弁護士の布陣は良いと思ってたのにー!(いいんかい)




珠子さんは彼の「嘘」を追求するようなことはしませんでした。
生徒と争う気はないって言ってたしね、けれど、もともとストレスを溜めていたカネヨシ君はその状態に耐え切れなくなったのか、自分で自分の父親のことをリークするような真似に、出たのかなぁ?
それともクラスメートにやられたのか(知られてても不思議ないよね)。
その辺はちょっとわかりませんでしたが、あんまり拘りどころでもないと思いましてスルー。そもそも前回から明日香嬢の“次”だったポーちゃんが登校しなくなっていたので、さらに次はどうなるんだろう? と思っていたのですが、それがこの子だという流れは純粋に感心。確かにそういうものですね、裁判で誰でも嘘と知ってる証言したんだもんな。


んでこの回、ポーちゃんの件もケリが付きました。


転校することになって、結局一度も登校しないままの状態で。
彼女への手紙を書こう! と言い出した加地センセーに、またなにを言い出しているんじゃ、と心配にならないでもなかったんですが。10人に満たないくらいの人数、けれど俯いて涙ぐんでいる子たちが残ったことに笑顔するというのは良かったな。
それで充分救い、と思えるのは健全さとしていいのではないかと思います。


もしかしたら加地センセーがスーパー先生で、自分のことを救ってくれるんじゃないかって妄想してたんだよ。という言葉も好きですよ。
あと、珠子さんがカネヨシ君に同じことをした仲間として、と告げていたのも良かった。そうか、明日香ちゃんを追い詰めたのは自分もいるんだって思ってるんだ。それはなんというか、自分を責める、ということなのかもしれないけど、それで人に語れる言葉が出来るんならいいんじゃないでしょうか。
あー、真面目に見てますねぇ、私、今ちょっと気恥ずかしいです...orz