#529 日本の世界遺産II〜自然遺産のすべて〜(日本)

日本の自然遺産は三つ、白神山地屋久島、知床。
で、複合遺産はなし。


つーかむしろ、日本の文化遺産に自然が絡んでないものがあるんかいなという勢いなんですが(この国は締め出さない限り自然があるというだけですが)(世界的に見てその恵まれっぷりは信じられないくらいだということは今は置いといて)、どうも自然そのものも珍しくないと駄目だということで。
しかもその珍しいというのが西洋基準であるらしいですよ。
白神山地は白樺の原生林で登録されたそーなんですが、日本人に言わせると「どこが珍しいの?」みたいなことになるらしいので、大きさが世界有数なんですよ! ということが付随されたっぽい勢いです。
小さな雑木林としちゃあ確かに珍しくもなんともないっすよね。


んでもって、緑でもこもこの山脈もこの国に限ってちっとも珍しくないし。
いっそ、日本列島で登録したらどうっすかね、だってほら、国ごと珍しいじゃん(無茶言うな)、冗談で言ったんですがあんまり冗談でもないような気もしてきました。
四季がこんだけくっきりはっきりしていて。
おまけにその合間に決まったように雨が降る(それを合わせて五つ目の時期だとするようなこともあるんですよ)、梅雨もその一つなんだけどね。




いや、なんの話かというと、白神山地はその生態の価値はありますが。
それはあくまでこの国に特有のものであって、その土地だけじゃない、その土地だけにあるという「白樺の原生林」は日本には珍しいものじゃない(らしい、でも結構見ますね、この木、祖母の家の近くにはわらわらあるし)。


とはいえ、非難したいってわけでもないですよ。


なんつーか、ある意味で結構「一つの遺産」として登録するのが難しくて、案外悩んだんじゃないかなー、とも思えなくもないからね。
多少否定的に見えるとしたら、白神山地に入っていた山男さんたちまでが遠ざけられてしまったという話を聞いているからで、けれどまあ、それも習慣としてきちんと認識出来ないのだというのならば仕方がない。説明していくしかないんでしょう。


白神山地はその山とその自然。
そして森の養分をたっぷりと含んだ海。昔から海を守るために森を植えるという知恵を持っていたのだというこの国では、今更のような気もするし、珍しくはないんですが。
(まあそんなことを言うのも無粋っちゃ無粋。)
ちょっとの違和感はないでもないです、まあ、切り口が“世界遺産”だとしゃあないのかなぁ、という気はしないでもないけど。でもわりと知られてるよな。
ぶっちゃけて、テレビで何度もその手の番組見てんですもん。
それが白神山地に特有、てのならともかく、どこの海でもそうなんだよね。




んにゃんにゃ。


しかし屋久島についても、あそこ以外にも特有の生態系を持ってる島あるし。
まあ、知床の流氷はいいんスけど、でも知床って流氷だけで有名というわけでもないしな、なんかこう、非常に扱える区分というものを考えてしまいました。
少なくともこの回については、世界遺産という区切りじゃないほうが面白いよな。


自然体系を説明する流れとして、世界遺産に触れるというほうがありっちゅーか。
いや、文句じゃないんですけどね。うーん。


日本て国は結局、「自然」というもののあり方が世界的に見て特異なんじゃないかなぁ、と。思うんですけど上手いこと言えません、難しいな。
どかーん、とでかいものがあるというより、ちまちま変わったものが大量にあるというかなんというか(やっぱり国土自体が特殊っつーかネ)。


屋久島の屋久杉(伐採を免れた千年以上の古木)、とか。
知床の流氷の中に閉じ込められていた塩分が溶け出して、そのまま海水よりも重いその水が海底まで沈み、海を掻き回すのだとか。
プランクトンとかの死骸が積もってる層があるわけですよ。
なので栄養価に富んだ海になるのだということなんですが。


しかしその土地に特有じゃないよなー、とどうしても思っちまうというか。
あくまで番組内でも、循環サイクルとして話してましたよねぇ、白神山地にしてもその下の海にしても、知床の海にしてもね。
屋久杉は違ったけど、これは文化面でもあるしなぁ、古木が長持ちするのはやっぱり屋久島に特有じゃないしね。雨の多い島も、まあ、そこだけじゃないし。


なんか難しいなぁと、んにゃ、あくまで文句ではないんですけどねー。