『天保異聞 妖奇士』説十九 三人往壓(さんにんゆきあつ) / 説二十 不忍池子守唄(しのばずのいけこもりうた)

このタイトルはどうかと、すごく。。。
いや、本名だったらごめんですよ、ユキさん。しかしその場合はすでに名前自体がうなされそうですごく嫌だ。


なんのことはない、ユキさんが増殖したよって話なんですが。
お二方ほど増えて、それで三人。


なんつーか、よく見てると単に自称しただけなのになんでああもあっさり話が過ぎてしまうのかというか、身体的特徴が全く合致してないのにそもそもなんで勘違いされたのかというのがかなり不思議です。
はっきり言って、偶然に近い、のかな?
(あやしの面子がそれぞれ噂を聞くことになったのは、というか。)
でもまあ、親類なんじゃねぇのか、というのは別にそう妙な話でもないか。
名乗っただけでそう通ってしまうというのも難儀というかなんというか、要するにユキさんの災難話じゃねぇかという気もしないでもないんですが。最初の御仁は別に当人なんもしてないので仕方がありませんか。




一人目はユキさんが武家のお家を飛び出てしまったあと、養子に取られた同姓同名。つーか改名させられてしまいましたよん、という方。


そして家を出ようとして、そこら辺にいた子どもにその名前と刀をあげるよ、と渡してしまったのが二人目。この子は食い逃げをしてしまったので、さっくりとあやしのほうにバレてましたが、そこで本気で疑われてしまうのがユキさんですか。
いくらなんでも食い逃げなんかしないでしょうよ、、、いい大人なのに。


で、あとはお家を継ぐだなんだ。
武家なのに学問で身を立てろってお父さんに言われて人生に疑問を持っただなんだ、確かに向いてなさそうな気もするし、疑問を持っただけで異界への道が開いてしまうような子どもだったこと自体も不憫なような気もするけど。


アンタ人生に大した障害なかったんじゃん?!


というのが一番の結論でしょうか、若干過保護気味だったお母様(今回十何年だか何十年ぶりに実家帰りました、ユキさん)がいたっぽいですけど、丸一年神隠しにあった後なら無理ないよなー、というか、ちゃんとした関係だった模様ですよ。
お父さんはわりとユキさんに無関心ぽだったけど、悪い父親ってこともないよな。比べてなんですけど、宰蔵ちゃんとこの父ちゃんとか(よくぞグレなかった)、なんでしたっけリーダーさんのお家の事情とかと比べると平坦っていうか平穏。


なんであそこまでやさぐれる必要があったのだろうか。
なんつーか、異界に行きたいのならとっとと行ってしまえよ、うっとおしい、と思ってしまったんですが、今。なんもないから逆に、ということなのかなぁ。


正直、雲七さん殺しのエピソードよりも「だからなに」感が強まっちゃったというか、いやあっちはそれをちゃんと話に生かしてたけど、この展開になっちゃって、唖然とまでは行かないけど拍子抜けっつーか。
今まで一体なにをそんなに深刻ぶってたのよというか。
まあそんなのが最終的な実感です。




とはいえ、別にこの話自体は嫌いでもなくて。
うーん、なんというかむしろ、養子さんの気持ちなんかは結構わかりやすかったし、お母様絡みのとこ良かったよね。


あと、問題外としたいのが二人目の少年ユキさんですが。
あの手の遊びはお好きな向きには堪らないものがあるのではないのかと思うので不問にしておきたいと思います。あの名前はさすがに知名度が高いと思うけど、だからって楽しいかというとそんなことはないよなぁ、うーむ。;
なんであんな話が入ったかはちょっと謎です。
絵描き少年なんかも実在してそーな気もするけど、もうちょっとマイナーっつーか、大人しい関り方にして欲しかった。個人的にあれは嫌だったなー。


ところで全然知りませんでしたが、幕末だったんすね。知りませんでした。
なんか冒頭で説明してるけど聞き飛ばしてるものでー、別にそういう設定とかどうでもいいからなぁ。というか。




おや、なにが悪くなかったと感じたのかがちょっと謎だ。
わりとテーマ的にはクドいというか説教じみた内容だったものの、展開が早くてわりと全体的にあっさりしてたからかもしれませんね。この辺はむしろテーマとの兼ね合いかもしれませぬ、テーマが無味乾燥だと軽い話になっちゃうだろうしなぁ。


どうでもいいですが母親の膝枕を魔境扱いするのはどうかと思うんですが。
そこんとこどうなんですか一体(20話の予告にて)。