#511 ハンザ同盟都市ヴィスビー(スウェーデン)

もともとの主目的なもので、全然知らないテーマはひたすら嬉しいですね。


いや、知識範囲を広げたいんですよ。ぶっちゃけマニアックなことは特に困らないので(資料が少ない分野って外れがあまりないっス、正直)、むしろ一般的とされている知識のほうがどこから手を付けていいかわからないというか。
あと、ヨーロッパは全体的にあんまり好みじゃないが故に知識がどうしても薄いというのもあります。
組織化やら洗練なんかがされてしまう前の、どっちゃかというと生々しいのが好きなんですよね、なんでも。


Wikipediaハンザ同盟


ヨーロッパのとある海の真ん中に小さな島がありました。


ある日、商人たちがやってきて、彼らの組合的な組織、ハンザ同盟というものに入らないかい? とスカウトされることになり。そして繁栄を謳歌しましたが。
まあ要するに立地が立地なので工夫する必要もあるわきゃなく。
少々頑張ったところで中継都市であるという以上の成果も見込めなかったと思いますよ、むしろあんまり頑張りすぎると目障りに思われたんじゃないのかと思うしね。それに立地上、攻めて来られた時にどう守るかってのも。。。
なんかこう、ちょっといろいろ大変かも。;


虐殺の歴史も、余所の回でもたびたび見掛けた「中世祭」も。
なんだかそれ以上の肉がない、虐殺事件が起こったんですよ、ハンザ同盟であり身内であったはずの都市が攻めてきたことがあるんですよ、というナレーションも。なんだかそれ以上語ることもなく話は先に進みました。


彼らが外に攻めていったかもしれない、というのは考えても全く思いつかず。
さりとて、「なんで侵攻されなくてはならなかったのか」ということの理由がわからないかというとそんなこともないわけです、だってそこにいるのだから。
ヨーロッパの海洋の、真ん中にある小さな島なのですから。
自分たちが手に入れられなくても、敵対国に取られたら致命的だよな。




でもねー、そういう地域って実はほかにも見たことがあるけれど。
なんかもっとこう、引き裂かれた痛み、どちらに属するのか判然としない立場とか、それともどこに属するのかは自分たちでは決めているのにその相手にはそう思われないとか、そんな哀しみがあるってのに。


この島はそんなことすら感じさせなかった。


いや、もしかしたら私のよーな興味がなくて、単に触れずに終ってしまったというだけのことなのかもしれない。土地の人にでも聞けば少しは違う返事も返ってくるのかもしれない。でもそれだけでもなさそうな気もする。


ヴァイキングの時代から交易の中継地点であって。
そして商人たちの≪ハンザ同盟≫に入っていた時は当然、その内紛に巻き込まれて空前の繁栄は過ぎ去っても、それでも多分ひょっとしたら今でも、この島には立ち寄る人らがいるんじゃないかなぁ。
だって立地がいいんだもん、ホントに。
(でも交易自体が今はそんなにないのかもしれない、少なくとも海を使っては)
(その辺は『世界遺産』で扱う範囲でもないね。)




12世紀にドイツから商人たちがやってきて、13世紀に最盛期を迎え。
16世紀に悲劇に至る、という。「繁栄は長く続かなかった」(by公式ページ)などというわりには些かゆっくりしたペース。北欧やロシアなどの物品までそこを通過するような、というのはむしろ時代が華やかだったということでしょう。


そして、時代が荒れたからそれに巻き込まれただけなのでしょう。


過去の記憶は記憶として、悲劇は悲劇として、虐殺は虐殺として、在りし日の廃墟をそのまま取っておくのは余裕のなさなのか大らかさなのか。
なんちゅーか、それすら語られなかったんでよくわかんねっす。
住人がどんなだよー、と感じさせる部分がなかったんですよね。


いや、そりゃいつも脇役なのでとりあえずは置いておかれるものなんですけども、そいでもって幾つかの生活のシーンもあったんですけれども、どうにもこうにも独自性がない、あ、これ別の回(西欧の)で見た、これも、みたいな印象になるんですよ。


だったらいっそ、そういう島なのかなーと。
余所からいろんなものが流れ込んできて、一度の悲劇を体験して、そしてそれを記憶として留めて。でもそれに捉われない。


やっぱりいかにもいい立地だしね。
ちょーど真ん中なんですよホント、奥さん(誰や)。