第二回「哀しみの上意討ち」

うお、斬新っちゃあ斬新だな?!


前回にも書いているよーな気もしますが、これはパチンコ台のモチーフになることが決まっているということで話のラインが動かせない。そして主人公は時代劇どころか演技すらほぼやったことがない(皆無だっけ?)モデルさん。
もしかしたら、この話で「助けられない」ってのも決まってたのかもしれません。


しかしそういう展開になるよーに見えねぇんですよ、これ。w


おりんは絶対の超越者ではなくて、刀を振るえばほとんどそのたんびに怪我をします。これは≪手鎖人・てぐさりにん≫という半ば非合法めいた組織に属していた時にはなかったんですよね。廊下で挟み撃ちされてぎりぎりまで迫られても、閉じ込められて囲まれて、火責めにされても髪の毛一筋も焦げないのと対象的。
んにゃ、プロとアマチュアの差ということなのかもしれません。もしかしたら。


もしかしたら手鎖人の仲間に追われると危なくなるのですかもね。
(しかしまあ、さして違いがあるようには見えてねーのです;)
(立場そのものは説明されればわかるけどね、実感としてまではねぇ。)




この話ではそもそも、元の仲間たちに追われて出来た怪我を抱え。
雨の中、とある山小屋に隠れているところを今度は「若い女」ってぇだけで襲われ掛けてしまい、崖から落ちてしまうというまあ災難。
うんうん、よく考えてみなくとも美形だもんなぁ、おりん。


そしてそんなところを拾ってくれる夫婦がありましたとさ。
つーか、夫が連れ帰ったら奥さんが文句一つ言わずに迎え入れてくれたという、とはいえそんなに無条件でおりんのことを信じてるってわけでもなく、「怪我をして関所越えをしようという人だから充分用心するように」と彼は奥さんに言うのですよ。


でも、なにか事情があるらしくてもそれを聞かず。
そして手配書の似顔絵を見ても顔色一つ変えず(察していたということかもしれません)、要するに信じている/いないというよりは単純に同情しているらしい。怪我をした若い女性を心配しているのだという配分はなんとなく新鮮で良かったです。
なんつーのかなぁ、単にからっと明るいだけの人たちの親切よりなんか良くない?
自分たちもそもそも逃げている身で。
力もなく隠れ住んでいるだけで、なにが出来るわけでもない。
ただ山に怪我をした人がいたらそれを連れ帰って寝床を与える。


時代劇にもいかにもよくありそうな、善良な小道具以上の味がありました。


が、それに対するおりんがちょっとなー。w
彼ら夫婦の素性を察し、そして追っている男らがそもそも自分を崖から落とすことになった輩だということもわかっていて、うーん、最初は名前を呟いていたし、夫婦を助けるつもりはあったんでしょうか。
それがそのまま逃げ出す、ということになって。
逆に「えー」と驚いたんですよね、いや、その展開自体にではなくて、だったら夫婦の素性に聞き耳を立てるよーなこともせず、そんな思わせぶりな素振りをする必要もないじゃないですか。




もしかしたら、上でも一回書いたよーに、手鎖人が絡まなければ助けてあげるつもりだったのかもしれません。彼女らの力はどうも一般人とは桁違いだとされているようですし(暗器まで仕込んでるし、フツーじゃ叶わないよね)。
しかしその状況の変化がわかんねぇんだよ...orz


おりんの殺陣がなんとか見れないでもない(若い経験皆無、そして大変に見目麗しい上に、サービス満点、女でもちょっと嬉しいエロ衣装という補正を入れればこれはこれで良し! とは思うんだけどね)、というレベルな上に。
手鎖人たちも演技の質はいいものの“怪演”ってタイプとはちょっと。;


いっそ1話のよーに、手鎖人たちの襲撃や子どもを連れているという見るからに彼女に手に負えない状況だったら、今度はおりんがふらふらと何度も揺れたってほどでもないので問題はなかった気もするのですが。
怪我をするのだという設定にされている以上。
敵の前に、逃げるというのもありだと思うんだけど、なんか言ってることとやってることが違って見えてしまうのが惜しいんですよねー。


全体的にはなんかいい感じなので、ますますそう思っちゃうというか。
(おかげで“謎の男”が戻ってやれ、と言ってたのが妙に空々しいというか。)
(別に彼自身のせーじゃないよねぇ。)


ちょっと掛け値なしに珍しかったのが、殿さまの女に手ぇ付けて逃げた男(つまり件の夫婦)を追う二人組が、かなり自暴にはなってるものの(おりんを襲ってるし)、「早く国に帰りてぇぇ」とか「許してくれ!」とか言ってたのかなぁ。
おりん、遅れたんなら逃がしてやれよ、とまで思っちゃったよ。;
(まあしかし、自分を襲った相手だしなぁ、うーむ、難しいね。)