迷宮美術館 −芸術は爆発だ!岡本太郎記念館

「グラスの底に顔があっても良いじゃないか」


――それで飲み終わったあとばっちりと目が合ってしまったりするわけだな、悪趣味な?!(会話すんな)
Wikipedia岡本太郎


ところで飲むたんびに微妙に忘れてるとか、幾つかの外見が同じコップの中に一つだけ混ぜておくと不意打ち感がアップしてますますいいんじゃないかと思います。あと、びっくりしたあとでこわごわと触れてみたら案外と柔らかくないんでがっかりしたりするんですよ。
という、無駄な想像力をだだ余らせてます、今晩は。
(ちなみに書いてるの深夜3:58です。)


ちなみに上の発言はWiki君からの引用なんですが(あちらも冒頭)、これは「芸術は爆発だ」ほどの知名度がないよーな気がするんですが如何でしょうか。まあ一回聞いたら忘れられない人は忘れられないでしょう、意味不明さ加減が実に良し!




NHK教育の番組と一時勘違いしててタイトル等々、データを取るのに難航しないでもなかったのですが、NHK総合の番組でした。
きたろうさんが出てた気がします、おやっさーーーんっ(inクウガ)。
気がするっつーか出てたんですが、実になんというか場にしっくり馴染んでいたので嬉しかったです、もともと彼はどこに出ててもなんか妙に馴染んでますが、そのたんびになんか嬉しいです。


てゆか、岡本太郎がどーも暑苦しい感じの人だったっぽく。
ええ、美術館のほーで等身大パネルを見ないでもありませんでしたが、私なんかと比べてみるまでもなくかなり小さめ。物真似らしき人が変わりにいろいろとパフォーマンスをやっておられたんですが、一部過剰気味かというようなところはありましたものの。
元のエピソードが暑苦しいんじゃこれは致し方あるまいな。


両親共に芸術家という家に生まれ(おとーさんは漫画家だけど昔の人は芸術家の括りでいいと思う、今はなんか違うけどな)、いわゆる芸術家になることへの段階みたいな時期はあまりなかったらしく。
とにかく悩んでいたのは表現方法だったんだというある種恵まれた人生。
ある日、ピカソシュールレアリズムの技法で描かれた絵画を見て「これだ!」というふうに感動したっていうんですけども、えー、あれなに書いてあるかわかんないじゃん。


とかいう、いくらなんでもそこまで基本的過ぎてちょっとその道の人が固まってしまいかねないよーなことを言ってのけてしまうんですが、なにが描いてあるかわからない、というよりは私たちって「人の見てる景色」を知ることは絶対に出来ないわけじゃないですか。
細部まで見る人もおれば大雑把にしか見ない人もいる。
光の感じ方なんかも実は違っているのかもしれなくて、色盲ってほどではなくても色が違って見えていてもおかしくない。
見る側の恣意や偏見や、願望の投影なんかもありうるでしょう。




そんな誤差を減らしなるべく広く伝えようとするのがエンターテイメントで。
自分だけの感覚、勘違いなんかすら含めて――をいかに忠実に表現するかが芸術家ってものなのかもしれません。それでも一度形を与えれば外から眺めることは出来るし、しかしそっからもまた見た人によって感想が全く違ってくるのかもしれませんが。
そういう違いもまた「よいこと」なのではないのかと思うんですよね。


彼の心象風景を示していたはずの布がリボンになり。
歯車やチャックは怪物化して暴れ廻り。
死に神どくろは原爆の火に煽られてもがき、少女は後ろ手にナイフを隠し持つ。魚はのてーんと寝転がって鳥と絡み合っている。


――例えば工場化がどんどん進み、などという説明が番組の中で入るのですが、しかし怪獣化したそれらに憎悪が向けられてるかっていうとなんか怪しくないですか。怪獣って特撮でもないけれど、描く人は怪獣好きだから描くと思うんだよね。
むしろ暴れてるのは作者の投影だと思うけど、だったらなんでチャックになってしまうのかなんてところはわからないし。


美術界のままならぬ重鎮たちを死に神に見立てて、ナイフを突き立てよーと狙っているというところまではともかく(これもそう言われてました)、だったらなんでナイフを持つのが明らかに美しい少女なのかがわからないし。


明日の神話≫の中央に立つ羽のある骸骨の謎は語られず仕舞い。
そもそも当人が語っていたからって必ずしも当てにはならず、いや、当人がそのつもりでもその時まで同じ気持ちだったかは誰にもわからず、勢いとか失敗とか適当なんてものがあっていいと思うし。
そもそもそれを全部言葉で伝えられるってんなら。
彼に「見えた物」を余すことなく他人が理解するのならば、別にそもそも芸術なんて手段を取らなくても良かったよーな気もするから。


やっぱり、絵は絵、オブジェはオブジェなんだと思うのですよ。
よーし壁画描くぞ、金取られんでも誰でも見れるからなー、と大はしゃぎしてた彼はやっぱり、かなり「芸術家」だったんじゃないかと思いませんか(困った人だネ)。