第22話 日々の未来

ミライ君の残酷さが、エラいこと奇麗に見えた段で。


多分、この回は成功してるんだと思うんですよね、無神経なんだと思うんですよ、あんまりにもデリカシーがないっていうかなんというか。息子を亡くしたばかりの人のところに、息子とまんま同じ姿をしていって押し掛けてって。
でも物語りの組み立てでは単に親切に見せることも出来るんですよ。
けれどこの話ではそーしなかった、はっきり「残酷」だと見せた。
それなのになんか奇麗なんですよね、強い者の、様々なことを当り前のよーに出来るウルトラマンって種族の傲慢なんだけども、傲慢はちゃんと傲慢としてなんか妙に心惹かれるシーンでした。真っ白というか。


ねぇ正直、自分がその立場にいた時に。
縋りついてしまわないって言い切れないよーな気はしないでもないんですよ、バン船長は強い人だったからかそんな素振りも見せなかったけど、どうでしょう。それが幻想であっても思い出に浸る人って、そんなに珍しいかな。
現実でもフィクションの中であっても。




ミライ君のしてたことは、「良いこと」である可能性は充分あったんですよ。


んで、そーならなかったのは、船長が息子のこと大事に思ってたからなのかなぁ、と私は解釈してみます。うん、それと全く同じ理由で、ミライ君を受け入れる展開にもなるんだろーけど、なんていうんだろう。やっぱり息子さんの代わりだって認識してるシーンもあるわけじゃないですか。少し遠回しに。


この回は、前話で回収した宇宙船にあった懐中時計を、彼の父親に届けるところから始まります(その前にバン・ヒロトの情報で盛り上がるGUYSクルーたちもあるがw)。「ミライ、畳の縁は踏まない」と叱られるミライ君にえらいコトときめきましたよ!
いやーん、サコミズたいちょってば、宇宙人なのに厳しいな。
(しかしこれがあとの複線だったとは...orzすげぇ)


そーして、ミサキさんとサコミズ隊長が去って。
んでもって、おずおずと進んで時計を差し出すミライ君。
ぽたぽたと涙を流すお父さん。




回想シーンの中で、先週遭難した宇宙船の残骸の中で聞いた会話が繰り返されます。遭難の直前と、それと少しだけ前から。
躊躇いもなく自分が犠牲になることを選択するヒロトさんに。
そして駆けつけて間に合わないメビウスくんと。
メビウス・リング(残像みたいなものでしょうかね?)とウルトラマンの姿を見て、ふっと微笑むヒロトさん。次元の歪みに飲まれる宇宙船。


彼の姿をして、彼の父親の前に無邪気に体操座りしてるミライ君。
「君の行為が親切だということはわかる、けれど君と暮らすことは出来ない」と。
「君の、地球での日々の未来に、幸大からんことを」というお父さんの言葉。


なんかこう、お涙頂戴のストーリーというのにはなんの説明もなくて。
けしてミライ君への明確な断罪がなされたわけではない、正直彼が、今もその行為を残酷だとわかっているのかすら怪しいじゃないですか。
「なにか僕は、悪いことをしましたか」というミライ君に。
お父さんの涙は、君のせいじゃないという過去のサコミズ隊長の言葉。




そいで今。
貴方の息子さんの分も生きますというミライ君を少しだけ笑って断って、けれど彼が「地球での友人、早く欲しいな」と呟いていたことを、ミライ君とGUYSのクルーたちを見て思い出して、でもそれはけして口には出さない。
ありがとうという言葉と抱擁。と涙。


今のミライ君が、彼の救いに、喜びになっていることは誰にでもわかる。
なんていうんだろう、でもそれは、やっぱりあの真っ白い残酷さの上(思い上がりだと言うのにすら白すぎる)、その延長線上にあるものだと思うんですよね。


面白かったなぁ。
すごくなんていうんだろう、要するに人情話にすぎないんですけれど、メビウス=ミライっていう未知数の存在の成長ってみるとなんだか楽しいというか、なんだか単純に面白くもある。


ところで小ネタもいっぱい面白かったんですが。
触れる隙がありませんよ...orz
とりあえず、リュウちゃんの危機を感じ取って気絶から目覚めるミライ君というのはすわリュウちゃんのヒロイン属性かと噂されてました勘弁して下さい、せめてぎ(ry
嘘です冗談ですごめんなさい、いや前半じゃなくて後半。


ミニボガさんに生身で投げる光線が、意外と格好良かったことに心の底から安堵いたしております、『ウルトラファイト』って噂されてたんだよ。危ねえぇ。;