#507 中世市場都市プロヴァン(フランス)

この回は一回ぼんやーりと流し見て。
ほとんど内容を覚えておらず、そのまま調べるだけ調べて書いてしまおうと思っておりました、実は。なんつーのかわりと典型的な都市の一形態なんですよね。


Wikipediaシャンパーニュの大市


んにゃ、産業で自力で発展しちまった都市は、わりと急激だったり劇的だったりする終末を迎えてしまうこともあるんですが、交易で発展した都市はまあまず廃退も緩やかで、結果当時の反映の姿をそのまま街の中に残したりすることがあるんですよ。
前に放送してた砂漠の街も多分そーだなぁ(>イエメン)、こちらは高級嗜好品が一度的に需要ががーっと跳ね上がった時期があったというものですが。


要するに、「当時の繁栄」がいい思い出であるか否かじゃないのかなぁ。
(逆に言うと発展はしたけれど街の状況を思うと悪夢にしか思えない、というようなことってのもわりと往々にしてあるわけですよ。)




と、いうのが一度見た時の印象でして。
んで私は、この手の都市は結構数を知っているもので、あとはまあ自分で調べればそれなりの内容に仕上げられるだろう、と思っていたんですよ。


珍しくないだけあって、特に取り上げられてはいなかった...orz


そもそも「プロヴァン」ではなくて「プロヴァンス」で登録されてたっつーのはもちろん余計ごとですが、よくよく考えてみればむしろこの地はもともと多少は有名で、時々暮らすのにいい土地だなぁ、ということなぞは聞くものの(わりと有名な田舎暮らし系の本がありますな)。
過去に繁栄した土地っつー視点で語られてるのは聞いたことがない。
まあ、ヨーロッパの中心にあり、ということだとそんなに劇的な変化(新しく道が開かれて交易が始まったとか、戦争の副産物で異民族との交易が行われるよーになったとか)ではなく、この土地にいたシャンパーニュ伯がじきじきに商人たちの優遇やら揉め事の采配などに尽力してたっつーのですから、もしかしたら発展も人為的なものと言えるのかもしれない。


(繁栄も一度ではなく、何度か優れた当主が出るたび、という感じだったし。)
つーか、シャンパーニュってなんか聞ーたことがあると思ってたら、ワインの名前でありますよね、これ、ワイン農園の名前なんじゃないかしら。




というところまでが、二回目に見て単語をつなぎ合わせて、やっとこ調べられた分だったりします。Wiki君では、ちょっと当てにしていた“シャンパーニュ伯”ではなく、シャンパーニュの大市でしたがまあ無問題。w
(日本でも地方に行くと時々聞く、「一の市」なんかのノリでしょーな。)
そしてシャンパーニュ伯たちは、その交易で築いた富を使ってー、わりと趣味悪くないけど独創的でもないっつーか、わりとその時点の流行を露骨に反映した感じの建築物をいくつか造ってますな。


なんつーかこう、一連の流れを書いていると。


うん、ほんとーに本来は田舎の(立派な)ご当主さまなんだなぁと。
聞いた中では、初期ゴシック様式の教会とか、あまりにも荘厳すぎてその代では建築が終らず(んでもって次の代があんまし交易に励もうとしなかったのか)、死後建築が止まってしまい、何百年か放置されるよーな状態になっていたりした教会とか(あり、また?)。


今でも彼らはその中世の古い建築物、商人たちの住居で町内オーケストラの練習をしていたり(腕がかなりのものだったから、もとが素人なら相当習慣的に練習していると思われ)(てゆかもしかしたら娯楽そのものの絶対数が少ないのかもしれなかったり)。
つーか、当のシャンパーニュ伯らの子孫も今もいるんでないかしら。
(だってそんな廃れてるよーな一族さんには思えないし。)
(あまり張り切らなかった当主はいても、大ポカするのが出てこない気がする。)
(ただ、あんまり普通に生活してらっさる方らだと、この手の番組で取り上げるのに相応しくないんではないかと思う。)


「中世祭」を行ってシャンパーニュの大市の再現をしている住人を見ても。
過去の繁栄ってのがけして彼らにとって不快なものではなかった。


いや逆に、失ったこと自体もそんなには残念でもなかったのかもしれないと思えないでもないですよ。街に溢れる大道芸人たちや、活気や、余所の人々のもたらす様々な交易の品々はありがたかったのかもしれませんが。
彼らの気性ならば、それはなくても生活していけるのではないか。


過去の繁栄は繁栄として。
その上に淡々と自分たちの静かな生活と(少しの名残り)を残して、変化を止め、そして多分、これからも同じように生活を続けていくことにあまり違和感もないでしょう、もちろん余所からもたらされる発展も。
少しゆっくり受け入れ続けながら。