#506 武陵源の自然景観と歴史地域(中国)

中国人の理想とする山はどこそこで、岩はどこそこ、水はどこそこ。
全部が揃った土地はないんだよ!
と、思いきや実はあったんだーーー!!


という土地だそうっす。
なんだよ、その好みって全国区かよ、10億人だか軽く突破するくせに(人口正確にわかりません、てかどんどん増えてます)なんか悠長だなっていうか、今もかよ。
この人たち、大事にするものは臆面もなく大事にするからなぁ。。。


Wikipedia武陵源


とりあえずでっけぇ山があって水はそっから来るそうです、高山であるほーが水は奇麗なんすよ、まあやっぱり。そこは仕方ない。
岩はもともと崩れやすかった上に、がんがらがっしゃと崩れてたらあっちこっちで愉快な形になったそーですよ。
山は切り立って尖がったのが超好みなんだそーです。
(そーいや、洞窟に鍾乳洞に石窟なんかもあるそーで。あー、確かに珍味系の絶景の類はほとんど揃ってる気はするなぁ)(珍味て。)




全国区のわりには余所の国には理解しにくいな?!
あ、いや、見てる分には納得かー、あの山はとてもじゃないけど素人は見てるだけで、、、って完全垂直の崖で「離れ業」を見せて日銭を稼いでる兄ちゃんが...orz
てゆかそこは極普通に生活区域ですかそーですか。
まだ離れ業ならわかるけど、山菜とか取ってましたか。


つーか、中国の珍味ってなんかそもそも、中国人じゃなきゃ普通取りに行かねぇよ、みたいなところにあるものも少なくなかったっけか。
(四本足のものはテーブル以外なんでも食べ、空飛ぶものは飛行機以外全部食べる。)
(二本足食った記録があります、や、個人的にでなくて非合法に市場に出回っていた記録とかも、うぷ;)
いやいやいや、珍味じゃなくて、バイタリティのある民族です。
なんかとにかく。


その土地の人らは本来、自分たちの住んでいるところが価値があるなどとは露知らず、あんまり気にせずに切り立った土地で逞しく生きていましたところ。
ある日土地が知れ渡り。
今では世界遺産にまで登録されてしまうようになり、貴重な山菜も取れなくなってしまったので崖をロープ一本で降りてく姿を人に見せたり。
観光業についたりで糊口を凌いでいるわけですよ。




しかしこれ系の土地は幾つか聞いたけども(『世界遺産』の番組の中でも)、ここはなんとなく悲壮感とは少し縁が遠いような、いや、私が中国人たちに対して強固に抱いているイメージのせいなのかもしれませんが。
うーん、寂しいねぇ、という感慨はさすがにあれど。
それ以上の感情がなかったよーな気がしたのはなんでしょうか。


いや、土地に残った老人が、墓参りをしていた光景なんですが。


なんていうのかなぁ、うーん、日本の村とかって放置したらもう住めなくなってしまうわけじゃないですか、木が生い茂ったり竹があるところなんかでは竹が生えてきてというか物理的に(これは自然がむしろ旺盛だからですね;)。
西洋の場合は、単純に土地が荒れて収穫などに向かなくもなるんでしょう。


でも彼らの場合、その土地のそのまんまを利用して、ただ人間は居つかせてもらっているだけというような暮らしぶりなので、そして建物なんてのもなんだかシンプルなので。
もしかしたらどうしようもなくなったら土地を捨てても生きて行けるのかもしれません。そりゃ、それは悲しいことだろーとは思うんですが。


彼ら民族が、そういう流浪の悲しみを、民族の記憶として持っていないわけがないよーな気もまたするので(彼らの、国の歴史への感心は私たちとは全く質が違います)。


人間はとりあえず、土地よりも下、というのは。
もしかしたら彼らにとって至極当り前、当然の、基本的な思考であるというのなら、彼らの前向きさはすでにその上に成り立っていることになるのではないのかと思うんですよ。
現実を見てないから楽観的なんじゃなくて。
その上で、それでもそのくらいしか生きていけないから。
逆にそーでなきゃ生き延びてこられないよーな国だったから、彼らが異様に強いんではないのかと私は思っているんですよ。


「彼ら」は裾野から少しずつ山の上に追い立てられた民族なのだそうです。
山に追い立てられても、いつか山から下りても、山に残っても、なんとかして生き抜いていくのじゃないでしょぅか。それ以外にないのだからと。