NHK『同時3点ドキュメント』第4回「煙と金と沈む島」

ツバルは世界で最初にそのせい「で」沈む国だそーです。
そーいや、環境学会だったか国際会議だったかで、いかに彼らの口を塞ぐのかとっっても熱心だった人たちがいたんだよ♥ という話が有名になってからも結構立ちますね。
さらにセンセーショナルな内容の噂を提供してやんの。
人の悪意は、他になにがわからなくても一番わかりやすいんではないのかと思います、隠そうとされることには「そこになにかがある」と誰もが気付く。


この回の一点目はツバル。沈む島。


二点目は日本が中国に作ろうとしている現在は排出されっぱなしのメタンを使った発電所、三点目はアメリカの「ガス排出権」のブローカー。
二つめが煙(そして金)、三つめが金(煙の利権)。
ならばさて、2と3が「悪」で1が可哀想な被害者と見えたのかというと、なんとなくの含みを残して終わってしまったような気もしないでもない。
いや、1→「被害者」を否定しているわけではないですもちろん。


この画像を見て、この回を見て、彼らが悔い改め行いを変えるのかというと誰もそんなことは思ってないでしょう。番組制作者だって信じてない。
私も信じない。
ならば、別の、同じコトをしようとする人らを止めるのかな、というとね。なんとなくそれもそれで違うような気もする。




確かに後者二者は正義じゃない。
金のためのルールの中にいる、そう当人らも言っている。そう自分たちで知っている、わかっている、その上で彼らはそうしている。自分たちの利益のために、余所の国にまでのこのこ出掛けていって、権利を買い。
それを使って、現地の彼らは更なる工場の発展を目指すのかもしれない、つーかそう明言していたりする(生産量が増えるとガスの排出量が増える)。
≪排出権≫の価値が上がるテロルを喜ぶ。
環境悪化のニュースに快哉を上げる。


しかし、それは「悪」かなぁ、とそれでも思うんですよね。


それでもさぁ、なんていうのかなぁ。
しないよりはマシな類のことに見えてしまう。
正義のために出掛けていって、それでとんでもないことをやらかすのとは逆の、なんかそこからとんでもない逆転があってもいいんじゃないのかということを少しばかり期待してしまう。




例えば、中国の新工場がちょっと「いい設備」でもって垂れ流しの量を減らしてみたりね。今はまだぜーんぜんなんのことを言ってるのかわかんない状況の中で、お金のためと生活の向上のためにそれに真剣に向き合って、でも「あれま、これは少しヤバいんかなぁ?」とたまぁに考えて。
彼らで変わらなくても(だって生活あるし)次の世代は、少しだけ真剣に取り組む人間が、ほんの数割でも産まれ得るのかもしれないなんていう夢想すら、ありえないってほどではないのではないのかと思うんですよ。


遠回しすぎて文章重いけど。
このくらいの余地しかないかな、という意味でもあります。


正義かなー? 悪かなー?
なんていう結論は、私には出せないっすよ。そーして案外と、この番組を作った人らも、その結論を出さなかった。
出せなかったのかもしれないということも思うくらい。




私は、たまたま言葉で「起きている現象」を説明することが出来るけれど(そんな人間も最近少なくはないんだけれども)(多いかというとそれもやっぱり首を傾げるんだけれども)、なんか起こってる、よーな気がする。
というレベルの人が一番多いのではないか。
「温暖化現象によって島が沈むメカニズム」をテレビが延々と流しても、それの意味を理解出来てるかどうか怪しい人らはいるでしょう。別にその人たちが悪いってわけでもない。
けれども。


ツバルの人たちはなんか沈んでいることがわかる。


そーして、けれどその原因となる≪ガス≫を出している人たちが、なんでそんなことをしているのかの理由がわからない。なんでそんなことをしなくてはならないのか、なんのためであるのか。
だって沈んでしまうのに。


もっと、非難や断罪のために作ることも出来たでしょう。
もう少し、構造をわかりやすく「悪」との対峙ということも、多分理屈の上では可能だったでしょう。
そうしなかったことを、私は、評価してみることとします。
(不可能なんだとも思うけどね、だって取材元の協力なしに可能な作りでは全くないんだからさ。)
だって、そっからなにも生まれてはこないじゃないですか。