#495 古代都市チチェン・イツァ(メキシコ)

Wikipediaマヤ文明


さくっと言ってしまいますと、前回の≪マチュ・ピチュ≫のが古いと思います。なんでそー思うのかというとこちらのほうがなんていうのかなぁ、機能分離が進んでいるというか、宗教色が出てきてるというか。
宗教って迷信でもあるけれど、確かにある、(緩やかな場合でも)支配の構造でもあるのですから、宗教施設がでっかくなってるってのはそれなりの文明の発達、というか、まー、知性的には私は退化だと思ってますけどね。
わかりやすーい、目に見える建物をぶっ建てる。
教義なんかのない時代であるのならば、神話と並んでの視覚に関するものとして効果があったと思いますよー。


ところで、NHKでやっていた『プラネット・アース』の中の、水の回(ごめん、調べてない)のセノーテが偶然出てきてたのでちょっと驚きました。いや、ハードにとことん溜め込んであるので本来の放送時期はかなりズレててただの偶然なんですが。
≪セノーテ≫ってのは地下水脈が隆起して、地面に穴を開けたよん、という状態なのだそーです。中国にある≪天抗≫と似たような感じかなぁ。


まあとにかく、下に水脈があって地面にぽっかりと穴が。
(誰でも見たらわかる事実。)




そいでもってー、「そこに処女を投げ込んでいたんだ!」という伝説があるそーです、あ、いや、ごめん、伝説じゃなくて最近の学説でしたか。
別に番組で否定されてたわけではないんですが。


――底から出てきた骨はほとんどが子どものもの、成人のものはだいたいが男性のものだと判明しました。


という辺りから、まあ、幼女でも処女は処女でしょうが。ま、言下に否定してたんでしょうね。しかしどーでもいいけど、西洋人て処女の話題好きだよねー。昔『東方見聞録』を読んでましたら(byマルコ・ポーロ)、いや全訳、あんまり処女がどーのこーのと延々と出てくるのでちょっと面食らいましたよ。
抄訳(まあ編集というかいいとこ取り)になるわけだ。。。


まあ、多分キリスト教徒の感覚なんでしょうね。まあどう見ても如何わしい興味だったろうマルコさんの手記と違って(いや周囲の期待が)(でも話としてはわりと本当)。
生け贄に処女! てのはなかなか響きがいいもんねー。
って別の意味で下世話ですね...orz
(ていうかすでに、私が拘り過ぎの域に。)




基本的に、祖霊に対し少女だけを生け贄にするってのは私はあまり聞いたことがありませんねー、そんなに物知ってるほうでもありませんけども。イニシエーション「大人から子どもへの通過儀礼」の時に男女一対で焼くってのはありましたけど、少女の生け贄っつったらむしろ災害とかの人柱とか。
巫女が俗世に戻れないとかそーいう括りかなぁ。


んで、そーいう文化の場合、相手方の戦士の首を取るってのは多分一緒にはない。


上のは実際に記録にも残ってるらしくて、わりとこれも誤解があるんですが、「尊敬しているからこそ」の首狩りであるはずなんですよ。強い敵への敬意。
別の場所ですが負けた相手を喰らうってのも、その力にあやかるみたいな意味もある。
(古代中国なんかだと味方の肉を食うから誤解のしよーがない。)
戦場というのも、昔は神聖な場所でした。
侮蔑が混じるよーになったのはわりと時代が下ってからでしょう。




つまり、要するに、なにを語っていたかというと、“キリスト教者の解釈を経た都市”であり、文明なんだろーなーと。
建物は実用性が薄れ、各機能ごとに分離し。
宗教施設は神秘的なんだろーなー、というわかりやすい形をしています。


そしてこの都市は、はっきりとある時期に衰退してります。
うんまー、なんで衰退したのかといえば「発展したからだ」というなんか文明自体に含みでもあるのか20世紀人が、という言い草ですが。
ある意味でどうしようもない運命でもあります。
かっちりとした形を決めた場合、それが生活に合わなくなるとなんらかの無理をしないとそれ以前の生活水準を保つことが出来ず、放棄したくないという思いが逆に周囲の環境まで食い潰してどーにもなんなくなって崩壊してしまう。
別に、人間の怠惰がどーだって話ではないのです。
(むしろ勤勉真面目な民族のほうが崩壊スピードは早い。)


やはり気候がそう荒くはないせいなのでしょうか、劣化が激しいとは言い難いですが(時間経過が相当あるし)、それなりに苔むして古びてますね。
いかにも遺跡っていう感じもします。
まあ、私の好みではないのは仕方のないことです。