#484 エルサレム旧市街とその城壁II(エルサレム(ヨルダン推薦物件))

キリストさんは嫌いじゃないし。
まあ別に、キリスト教も、宗教美術やら(瀕死のイエスさん像の中で一個、ものごっつ体つきが色っぽいのなかったかー?!)文学やら、如何わしいのが混じってて嫌いじゃないんですが、祭日なんかも、結構わけわからんのが混入してるとことか。
(あと、本気でどーでもいいけど、なんか肖像画で妙にオダギリ君の目を思い出すのが一枚あった)(もともとあのヒト、あんま日本人ぽくないよね。)


てゆか、そもそもそんな好み方してる段階で、フツーには好きじゃないんだよね、と嘆息されてしまいそーなもんなのですが、宗教ってさぁ、二つに別れた後(だいたい百年)に組織化されてくと急速に硬直化しちゃってなぁ。
そーなるとどうしてもねー、なんかこう、粘ついた感じがして。
正直、どの宗教やっても途中で止まってますよ、なんかね。


ユダヤ教をいまだに好きなのは多分、それが離散した民族が支えていたからです。
だからイスラエル(国名)は好きになれないし、けれどまあさすがに、何千年も彷徨い続けた後となると、そう無碍に非難にも参加できないんですけどね。。。




つーか、イスラム教の美しさってシンプルなんだけど。
なんかキリスト教の美しさってごてごてっとしてる。ごちゃごちゃしたのは嫌いじゃないんですけれども、「見せる」ために無駄な贅肉付けたものは、なんかあんまり好きじゃないです。見せること自体が悪いってんじゃないです、でもそーしたらソレは簡潔であって欲しいんですよ。なんとなく。


己が力を見せ付けるための華美は、見たいもんじゃないんですよ。


でも、そこに塗り重ねられてった、そこを訪ねて信じようとする人たちの気持ちは、そりゃー妙なモンも混ざってるかもしれませんけれど、大抵は純粋で。
もし私に「きちんと」信仰があったならば、あの建物も飾りも美しいものとして敬虔な気持ちになれたのだろーかと思いました。




でも、イエスさんの死んだ土地を詣でるならば。
私ならばさらっぴんの、草もあんまり生えてなかったのだろー当時のままのを見たい、その上に建った、馬鹿でかい教会はそんなに好きじゃない。


だいたい、語り伝えられるキリストさんの像って、なんだか。
ものすごく人でなしみたいに聞こえてしまうんですよ、確かに正しいけれど、確かに世のことを思っていたのかもしれないけれど、なんか言葉一つ一つが冷たい。彼の行為に間違いはないんだけれども、なんのことも贔屓とかしなかったんですけれども。
その時代のことをちゃんと聞かせてくれないと、なんで彼を信じた人がいるのかわからないくらい。


そーいうのこそが聖人だよ、って言われても。
なら、どーしてああいうキリスト教になったのかがつながらないんですよね。
学者扱いでいいじゃん、隠者ってほうが、彼の言動には相応しいじゃん。


なにもさ。
でっけぇ神殿建てて、何個にも分裂した宗派を全部入れて、何度も争いの原因になって、その名の下で血が流れて、世界で一番? 二番かもしれないけど、そのくらいの人数になるまで膨れ上がらなくてもいいじゃないか。




で、そーいう違和感を全部詰め込んだみたいな作りでした。
コプト教はでも大好きッ。
あー、まさか見られるとは思わなかった、情報少なくてさー、後頭部からハートを出して見てしまいしたよ。現地宗教とキリスト教との「幸せな結婚!」。
また、祭壇の裏ってのが好みにジャストフィット(ただの捻くれモノですアナタ)。


それでも最後のほー。
そのミサが終わらないうちに、どっかしら不協和音になって表で始まってしまうミサとか、ごちゃっと人が詰め込まれてる構図とかやっぱり嫌いじゃありませんでした。


オダギリ君のゆーてた、「信じる」ってなんのことでしょーねぇ。
なにを信じるか言わなかったんだよな。
この土地は信ずることで連綿と続いてきたというか、別に土地なんてなんもしなくてもそこにあるんですけれども。
どっちかというと崩れかけた≪嘆きの壁≫とか。
岩のドーム≫みたいな実用的っぽいほうが好きなんですけれども、私。




エスさんは好きですけれど、なんで彼から、あんな宗教が表われたのかわからないのですけれどもね。
どっから嫌いで、どっから好きって線を引こうとしたら案外困りました。
好きではない「虚像」にしか見えない物にでも、祈りを捧げてる人は好きだし、派手な建物だなーと思っても、そこの中の人たちは嫌いじゃないんですよね。
だってなんかの物理的な得はないじゃないですか。よくやるよ。


醜いのだと、好きではないと断じたものの中からも、結構平気でそーいうものが出てきてしまうから困りますよね。
どこまで愛せばいいかわかりゃしない。
なにを信じているんでしょうか、私にはわかりませんが、それを信じている人がいるというのはそんなに遠くなく、わからないわけではありません。