NHK『世界同時3点ドキュメント』第2回「移民漂流 10日間の記録」

なにかを持ち上げるのでなく。
なにかを非難するわけではないというドキュメントの扱う題材が、どうにもままならない「現実」、進行している死を伴うほどではない事態だったりしたもので、なんだか本当に感情の持って行き場がなかったっス。


なんでこんなややこしい言い回しになるのか知らん。
つーか、もっと単純明快な書き方をしていたら愚痴になったので(もしくは断罪)、なんだかそれは違うだろうと思ってこんなふーな形になりました。
こーいうのが私の実際の思考スタイルに近いんですが。
思考が近い人間と話していると、人にはなんのことかわからないらしいっす。


そんなことはどうでもいいですが。


本当に画面で進行していることは、一つ一つには感情の落とし処はあるものの、全てを掛け合わせると誰を責めても意味がないし、とある一つを抜き出して褒め称えてもなんの意味もない。奇麗な三角形にはなっていなかったが。
ほとんど世界全てがつながっているのだなぁと思った。




むしろ、なんだか逃げ場が欲しいくらいだった。
母は途中で中座してしまった、これが「マネー」題材だったら少しは違ったんだろうか、これを書き終えてからと思っていたのでまだ見ていないのだが。


そーして、なにか番組の中で違和感を引き摺っていた。
夜寝る時に考えて、翌日職場で考え続けて、やっと答えが出た。
いや、解決の方法なぞでは全くない、「違和感」のなんだが。
多分これが感情の落とし処といえるのだろう、それはひょっとしたら安易な思考停止でしかないのかもしれないが、私の限界がそこならば仕方がない。
どーせ言葉しか紡げないのならば、安易でも黙り込むよりはマシだろうと思おう。




出発点はエチオピアだ。
この国は≪人口爆発≫が起こっている、昔書いた記事があるので、それを再掲載しよーかと思うんだが、ものすごく簡単に人情を廃した言い方をすると「発展途上国で一時的に死亡率が下がった」というのが一番単純な理由になるだろうか(まあそういう表現はされていないが、関係するところを読めばそーであることは導き出せると思う)(言わないのが健全かなぁ、とはもちろん思ってはいる)。


エチオピア人のおっちゃんが、イスラエルの移民審査を受けている。
ここの経路は少し面倒なのだが、「ユダヤ人」というのは規定によって人工的に決められていることが関係している。あんまり面倒なので割愛する(をい)。


そーして、そのイスラエルからは、己の住む国が武器を振るい、その報復の形としてテロルという攻撃を受けていることに耐えられず逃げ出す青年がいる。
彼が移民を望んでいる先はドイツ。


ドイツにはイスラエルからの移民の制度が第二次世界大戦後からあるよーだ。
それはなんつーか、ドイツのホロコーストやら、まあ、その、ナチスユダヤ人虐殺に関連してのことらしい(この辺は初耳だった)。




エチオピア人たちはイスラエル下流の仕事に就かされ。
ドイツでは移民が溢れて、国の中で「移民反対」のデモが恒常的に起こっている、安い移民労働力に対抗できずに、海外に職を求め。
医者などもどうも待遇がこれ以上下がるよりは、と海外に流出しかねない状況で。
そーして、「移民の医者がいるからいいじゃない」と彼らは言うわけだ。


移民の受け入れは、ドイツのユダヤ人厚遇などとは全く別の次元で、先進国はどこでも進めている話らしく、それはどうも高齢化を防ぐという意味合いであるらしい。
(人口減少自体はそこでは絡んでこなかった)(日本ではむしろこっちが語られる傾向にあるよね、なんで違うのかな?)


レポートが作成され、日本にも移民受け入れを勧めているという言及もあった。


さてしかし、そこで言う「移民」ってなんだ。単に年齢層を理想的な形にするためだけのほとんど置石なんじゃねぇのかソレは。現に、必要とされたハズの移民たちは、今現在ドイツの国から去るようにと遠回しに勧められている。
1年2年ならわかるが、彼らはもう40年もいるというのに。
そりゃ、使い捨てって言うんじゃねぇのか。


つーか、そんなことのために移民をさすのなら、それって全体的に「急場凌ぎ」に過ぎないんじゃなかろーか。
食うや食わずの人らなら、勘違いがあるのならば、それでも人は確保も出来ようが、それはいつまでもそんなふうに弱者にタカるよーなことしてて、それで当の自国民すら流出させて、それで政策でございって踏ん反り返るのか。
さすがに、違うんじゃねぇのソレ?


ラストに。
異様な逞しさで、金で国籍を買う中国人らが、ちっとも「浅ましく」なぞ見えなくてなんだか途惑った。しかしよく考えたら、「移民を受け入れる国々」と実態は実はほとんど変わらないのではないのかな。
なら、それを堂々と表明してるほうがマシなんだろうか。
少なくともそこに、奪われる弱者はいないしな。