EPISODE-2 透明人間ストーカー殺人・解決篇

この話は、結局、チープであるというか、雑であるというか。
それを勘違いしていたり糊塗しているというわけでなく、むしろ利用してる節があるからそこそこ見れるんでしょーかね。なにを目的にしているのか、読み切れないところがあるのが、作りのせーなのか(つまり稚拙なせいなのか)それとも意図されたものであるのかがわからない。
そして案外、実際に稚拙であったりもするんですよね。
それでもって、ますます展開がわからない。


そこを褒めるつもりもまあありませんが、結果的に面白いですよ?


1話(前後篇)ではわからなかったんですが、てゆか、あちらでもそれを目指していたのかもしれませんが、どちらかというと「謎解き」モノであるよーです。
まあ全部がそうなのかどうかもわかりませんけどね。
どっちかというと、本物の異形とやりあって欲しいなぁ、という気もしてましたけども。余所のレビューなんか見ててもそんな感じでしたから、外されたっちゃあ外されたのかなぁ。




あ、ネタバレいたします。
まあ、解決篇はほとんど3分の1程度のところで事態の見当を付け始めるからね(まあ、もう一回引っくり返るんだけどさ)(この2話は引っくり返らなかった)。


「透明人間」はいない。


さてならば、それを演出できたのは誰でしょうと。
元アイドルちゃんの生き残りは、要するに生き残りではなく、もう片割れを殺したのかもしれないという疑問も湧いてきます。
もとは、透明人間がいない、ということではなくて、別のところから状況を限定していった結果そのような疑問が出てきたわけなのですが。




実はこの話、全ての展開が説明されてません。
共犯者は罵倒された末に飛び降りてしまうし、元アイドルちゃんは全てが瓦解したあと、気が触れてしまったのか会話にならない。
(尺の問題かもしれませんが、しかし、なにに費やしてたんだ?)


透明人間として「殺された」男は、警察の調べでも実際に判明しているのですけれども、ストーカーだったことは事実のようです。そして、アイドルちゃんの片割れ。
一番最初の被害者は、誰が殺したのか。
どうやって殺したのか、本当に透明人間を演出して殺したのか、それとも単に殴り殺して電話を通して「透明人間」だと叫んでいたのだと嘘をついたにすぎないのか。
その辺は実はわかりません。




それなりに推測が可能なのは、「透明人間」のストーカーは、彼らの仲間であったろうということ、ある程度の計画を告げられていたのだろうということ。
殺されるとまでは思っていなかったのでしょうが。


アイドルちゃんの宣伝のために、有名になるために、「透明人間」を演出することが目的だった、という展開で話は閉じますが。
(もしくはとある「事情」の口封じ、どちらがどちらとも言えない。)
(二番目に殺された男は、透明人間の演出のためでないと殺された意味がない)(口封じって意味合いもあるのかもしれんけどね。)


しかし、それを本気でつらつら考えていくと。。。
なんかこう、要するに蘇芳くんと(これは最初から仕組まれた)、りおんちゃんは(最初は完全に偶然)、「観客」として狙われた。
あくまでも、彼らをターゲットにして行われたことになりますよねぇ?


でもソレだと、ほとんど偶然に成り立ってねぇか?
いや、あとちょっと行動が違ってたらバレそうなの山盛りじゃん。
あの中年男が、蘇芳くんみたいな若い子に(吸血鬼ってことを知らなくても)、仕掛けを外してまで逃げ切れたかっていうとかなり怪しいし。舞台になった廃墟ビルも場所も教えてない、わざわざと押し掛けただけですよ(二人とも物見高いねぇ)。




まあ、人体喪失トリックに関してはいいです。
しかし、あの時間が掛かるのを、ただ見守っていた可能性ってどのくらいだろうね。。。
(そのトリックにも最低二人が必要だったりするし。)


なにをずっと書いているのかというと、この話要するに。


りおんちゃんと蘇芳くんの視点(観客に同じく)に対し「透明人間」を演出された、という下手をすると化け物小屋レベル。;
でも一応、見てる時には納得してるんですよ。動機付けはまだしもだし。
しかし、散りばめられたヒントでもって実際の状況を構築していくと、「あれ、あれ? あれれ??」みたいな。


ある意味で。
優れた素晴らしい出来とは言わないけど、この題材、この展開、この仕掛けでもってよくもまあ、一通りの説得力持たせたよね(映画なら間違いなく無理、一時間ペースだったとしても難しかったかも)。
完全に説明省いたところは、英断といっていいかもしれないなぁ。うーむ。