#4 幸福な歌

個人的に話を見始めてほぼすぐ、多分、自動車が海に転落するくらいの時点で「動機」のようなものは概ね見えていたんですが、別に早くもないよね? すごく正直、似たようなテーマで作られた話をぽちぽち見ているということもありますし、ミステリ仕立てである、という前提に立つとまあそのくらいで妥当だとは思うんですが。
じゃあさて、現実の場合も青木さんよりかなり早めに気付くだろうなぁ、ということを考えていました、私が、という個人的な話ではありますが、作中では室長がそうでしたし。そして、番組を見てるうちの何割かが“そういう人間”だと思うんですよね。
んでも、青木さんみたいな側の人も、別に少ないわけでも珍しいわけでもない。
その立場に立って、それこそ自分の親から「お前たちに迷惑を掛けたくないから延命など考えないでくれ」と言われて初めて気付くってのも、別に経験が少ないからとかそんな話ではない。つーか、薪さんが気付いていても周囲を納得させられるかどうかはまた別の話だしなぁ、言ったところでそれほど捜査のタシになるわけでもないしね。
(証拠もないわけですし、言い出さなかったのもわかるよな。)


とある崖から自動車が転落、そこに乗っていた四人の老人のうち、三人が死亡、一人が意識不明の重態。そして遡って彼らの記憶を見てみると、サングラスの男と会い、封筒を渡し、睡眠薬入りのジュースを飲まされて意識を失ってそこまでで全て。
周囲が眠りこけるのを見、自分が眠るのも特に動じることもなく。
特に出掛けることもなかったのだという老人たちの、初対面の相手との最後の旅行、シンプルな話なんですが、でも犯人が受け取っていたのが遺書であったのなら、犯人の目的は一体なんだったのかなぁ、それだってよくわからない。