Last Blood

正直こう、10話から後の展開がかなり良かったというか、前半に特に不快なこともなく、その上でそれなりに世界観を描き出すために費やされていた、ということは頭でわかるもので全体的にかなりトータルでいい評価にはなっているんですが。
そうか、母親と神父を殺した相手に対して、特に断罪するようなこともないのか。。。
自分たちの身内さえ戻ればいい、という態度は、ある意味できちんと一貫した姿勢であったようには思うのですが、それもそれでかなりシビアっていうかダークだなぁ。もちろん神父には誠くんへのかなり露骨な虐待とかありましたし、母親も、彼のことを一度殺した、という過去そのものはあったのですが。
しかし、引っ掛かるというよりは「ああ、そういう生き物なのかなぁ」という納得のほうが先に立ってしまったというかね、かなり複雑な気分。
そしてすごく正直、可愛がっていたのにパニックになってしまった母親の気持ちも、なんで子どもが欲しいと言ったのに置いていかれたの?! と泣く気持ちもわかる。けれどこう、生ませておいておいて行った“父親”への非難の感情もさして湧いて来ないというか、違う生き物や価値観なのかなぁ、という感慨のほうが強い。


基本的にはこの話は、誠くんやアゲハ、彼らを取り巻く年配の吸血鬼や人間模様、という話なんでしょうが、主要人物たちのどっちかという生温いくらいに見える関係が、実はかなり非情ともいえるような前提の上に成り立っているところがキモなのかなぁと。
アゲハがキヨイさんに吸血鬼にされた理由も、まあだいたいのところは予測していた通りだったのですが(死に掛けてたのを救ったのだと)、ベタな展開と感じたというよりは、わりと素直に救いがあったかなぁ、と思ったというのが正直なところでした。