#10「MEMORIES」

すごく素直に言うと「まあいいんじゃね?」という程度の感想なんですが。
正直、目も当てられないものになってもしょうがないというか、そのくらいの難易度というか大変さがあると思っていたのでそれを考えるとかなりの健闘なんじゃないかな、というか、この話そのものじゃなくてこれならこの先も期待していいかなぁ、とか。
(しかし買収されてしまったわけですが、どうなるのかしら、今後。)


でもなんというか、なんじゃこの拙い世界観はなんかどこもかしこも中途半端じゃね? と思ってないでもないところから始まり。
それにさして疑問も抱かず、ぬくぬくと適応する主人公が配置され。
出てくる人物は概ね疑問を抱き、外の世界に逃げたがっているというそんな話が続いたあとで「この世界はおかしい!」と言われてしまうと、ああ、そういえば、というふうにわりと素直に思うことは出来ました。
むしろこう、気付いてない人のが少数派というか、ある程度はわかっていてもでもどうすることも出来ないから流されてるのかなー、と思わないでもなく。
その世界を探ろうとした記者がいて。
それがジンさんの目の前で殺されたことで初めて切実な違和感を抱き。


彼の残した記録や、彼の協力者を探し、世界の秘密に近付こうとする、という話はそんな悪いものでもないというか、突飛な印象はないんですよね、今までの話も大概どっか不完全な世界観の上に成り立っていたと思うんですが。
そういう“不完全な世界”を舞台に進む話っていったら単にそれは意図されたもので。
出来不出来は展開次第とはいえ、その不備のある世界観や、その世界に立ち向かう主人公、というベタな構図をを笑うのはこの時点でちょっと違うなーと思うし、そういう大前提が受け入れられない話が結構少なくないので、私はこれはこれで悪くないと思います。




えーと、まあ、概ねあらすじ済んでしまったんですが。
要するに基本的に、「テレビがなんか嘘を流してるっぽいぞ!」「アクア・プロジェクトってなんだ?」という二本立ての謎しかないような気がします。
テレビで流すためにはそれなりに嘘ニュースを作る必要があり。
それを一括して製作してるところがあるんだよ、しかも、あの街頭テレビ群は(とてもこわい)それぞれ監視機能も付いてるんだよ! みたいなことらしいです、誰が管理するんだろう、と思うんですが、あいつらひょっとして自我あるんですが。
あの顔だけは本当に怖いと思ってたら本気で話の中核に関わるのですか。


ところでアクア・プロジェクトってなんですか。
もうちょっとこう、機密というか、情報の管理とかしっかりしたほうがいいような気がするんですが、ジンさんに一番隠さねばならないようなものでもないんですか、むしろ知ってもらったほうがいいのか。
単に彼が異常な事件に関わる人だったからたまたまなのか。
わりと情報がだだ漏れなせいで高確率でぶつかってたのかはよくわかりません。


とりあえず、封鎖された池の廻りでなんかごちゃごちゃやってたので、ある程度公的な機関が関わっているのかなぁ、という気もするんですが。
そういえば、前に兵器を作ってた宇宙人も地球人に頼まれたって言ってたし。
いやあの方、瞬殺されてしまったので詳細はわからずじまいでしたが。
ほとんど口封じか? と思えなくもないタイミングなのに、まあジンさん(歴代でも一、二を争う超天然)なら、ありえないでもないかな、と思わせるのは、褒めていいんだか貶していいんだかわかりません。
すごいこと匂わせてるっぽいのに、雰囲気のせいでそんな気がしてません!
しかし案外、そのおかげで変に気取った展開に陥らずに済んでいるというか、世界は歪んでるかもしんないけど、ジンさんは別に気付いてないよ、という状況も考えたらすごいというか、意図されていたのだとしたらそれは褒めていいような気もしますが。
いくらなんでもそんなの可能なんだろうか、とかいろいろわかりません。
でも、話の筋は暗いはずなのにジンさんのせいで暗くはないよね。
別に明るいというほどでもない気もするけど、漫才とかたまに見れるし。うん。




しかしさすがに、世界と向き合わなくてはならなくなるとそうも行かず。
特に任務でもないのにどこぞに忍び込んだり、人に探りを入れたり、今までほとんど疑ってなかった白服の女性(なんでそこで疑わないんだ、というのをスルーするのがジンさんクオリティ、違和感はない!)を疑わなくてはならない嵌めになったりするんですが。
なんで信じるか、とKさんに言われた時の理由が。
自分が巨人に変身するための眼鏡をくれたから、という内容だったところは密かに感心しました、そうだよな、あんな能力わざわざ渡さないよな、うん、ある程度正しいや。
ちゃんと物考えてるんですねー、偉い偉い(馬鹿にしとんのか)。


そして、ジンさんの身に危険があるか否か、というのがさすがにある程度、物語りのクライマックスを迎えるに当たって気になってくるんですが。
今までほとんど疑問を持ってなかった白い女と、それが理由でのKさんやSさんなんかとの決別、ということになるとちょっとは大変だと思えないでもないというか、ジンさんの世界は極小なのでそれがわりと比重が大きいってのはわからないでもないしね。


しかしよく考えたら、展開が気になるかというとやっぱり気になんないw
ジンさんが悪いことにならなければ、概ねどうでもいいです。
(あと白服の人とか、KさんとかSさんとかそのくらいは気になるけど。)