#9「RED MOON」

えー、こう、さすがに生意気なこと言ってますが。
全体的に上手くなったなぁというか、1クール作品というのは基本的に緊張感が違うものなのか、案外製作体制に余裕があるのか、1年通した番組よりも成長率が高いと思うんですが(特撮のドラマ以外ではあんまり感じないというか、新人ばっかって体制じゃないからなぁ、フツー)。
その上手くなった分よりももうちょっと上のことやっていたというか。
1話とか2話をこのくらいの技能で作ってたら文句ない出来だったんじゃ、、、と思ってしまったというか、なんというかこう、ちゃらいというか耽美はいいんだけど嘘くさーい、というか、なに格好付けとんねん、というか。


とはいえ、なんとなく面白くはありました。
皆頑張ってるー、みたいな感覚が頭からどうしてもどうしても抜けないのがむしろ私の個人的な難点だったような気もしないでもないんですが、どっちかというとあれです、同じように感じていた人が少なかったようにはどうしても思えないっつーか。


恥ずかしかったというか、「グラスメモリア」という響きが特に。
昔のものだから、まあそのまま言ってるんだろうとも思うんですが、もうちょっと頻度を落とすなり愛称を付けてしまうなりなんなりしてくれたほうが自然だったんじゃないかしらと思わないでもないというか。うああ。




えー、皆既日食を前に、白いワンピースを着た女性が立て続けに惨殺され。
なんかエージェントがわらわらと街に湧いていたんですが、Sさんが囮になっている分にはいいんだけど、マスコミなんかを通じて報道したほうがいいんじゃないのかと。いくらなんでも地域は限定されているし、たかが服だし自粛するんじゃないの?
と思ったんですが、どうも秘密裏にことを運ぶ癖でもあるのかなぁ。
しかし今回に関してはちょっとなぁ。


で、水を飲もうとしたところで襲われてしまい、水を被っていたら例外的に無事でした、という初めての生き残りにKさんが話を聞いているんですが、どう見てもなんか化け物の存在自体に怯えてる感じはしなかったし、それならマスコミに流しても特に問題なさそうな気がするんですけどねー、いろいろ慣れてない? この世界の人たちって。


で、なんでその結論に達したのかが完全に謎なんですが。
水でもってもともと人間ではない存在が化け物に変異したんじゃないのか、とかKさんが言い出しました、なんのことかがわかりません、多分事実というかそれで正解なんだろうな、ということはわかるんですが、どこでどうしていきなりそれなのかと。
で、別口から前回の皆既日食の時に化け物が出て、一人の令嬢を食い殺したのだ、という話を持ち込んだ人がいましてね。ところで一滴の水すら恐れていてどうやって人間の生活をしていたんだかぽちぽちと気になってしまうんですが、飲む分には平気なのか、水すら飲まなくていいのか、風呂はどうしたのかと(純粋な水以外なら平気なのか)。


この持ち込んだ人に関しての話は結構悪くないというか、概ね納得。
そしてあと、ジンさんが何者かに呼び出され、そこにグラスメモリアが置いてあって、なにかしら、と覗いてしまってそこになにかが写っているとそれをわりと違和感なく受け入れてしまう辺りはジンさんならではという気はしないでもありません。




まあ、半世紀だか前の話も別に悪くないし、それを追う現代組も悪いとは言わないんですが、やっぱりこう、なんでそこでそれがわかるんだ、というのは謎というかなんというか、明らかに「目で見たものを記録」する、という妙なものを前提に話を進めていく辺りもわからんというか、もともとオーバーテクノロジーに慣れているのかもしれませんが。
それにしたってどっから湧いてきたんじゃい、くらいはもう少し早く気にしてもー。


まあ要するに、人間ではない者がとある家の令嬢と共にいて。
ある日、水を恐れていたというのに池に入ってしまい、化け物に変化して愛していた令嬢を殺し、地下に潜り込んで眠っており。同じ皆既日食が近づいてくるにつれて目覚め、令嬢と似た服装をした女性たちを襲っていたのだ、という実はわりとシンプルな話だと思うんですが、それを科学と関係者でもない調査だけで調べるエージェントが(30分で)知るというところになんかこう、無理があったんじゃないかなぁ、とはやっぱり思います。
1クール作品で前後篇にするわけにはいかないのかもしれないけど、1時間は欲しかったよなぁ、うーん、やっぱり。どうしてもところどころ話が飛んでいるというか。
わりと前々からあれなんですけどね、予告されていたというか、カットされているところも多いんですよ、というところは脚本家さん系の情報で聞いてはいたんですけどね、んー、でもそれでも、やっぱりもうちょっと縮め方考えて欲しかったかなぁ、というのは正直なところです。ウルトラ以外で話がこぼれてても意図はわからんでもないんですが、特撮の魅力っていうか、特徴ってやっぱり30分に全部が入ってるって部分にあると私は思っているので。
もちろん別の意見もあるでしょうし、それもそれで正しかろうとは思うんですが。


いやでもやっぱり、面白くないわけではなかったんですけどね。
K、S、ジンの三人が、珍しくばらけて一生懸命調査してるのはわからんでもなかったし、それでもなんかちょっとばかりあれなんですけどね、調査してる分を余計に上回ってない? とは思ったんですが、そういう体制自体はわりと面白かったんですよね。
あと、まあ、話の流れ自体はね。
自然と理解したかった気はしますねぇ、どうしても。