『メゾン・ド・ヒミコ』

『メゾン・ド・ヒミコ』
監督:犬童一心
出演:オダギリジョー柴咲コウ
  /田中泯


例えば職場の社長に主人公が気があるとか、その社長が次から次へと社員に手を出しているとか、そんなことは表面上語られることはなくそれとなく示されるだけだったり。
オダギリジョーは「天使」とか言われてたけど黒いよこいつ;


まあ、見た目的にはよろしかったんじゃないでしょうか、新しいパトロン候補を色仕掛けする時のフリル大盛りブラウスとかとても素敵だったです。そうとは見せないけどお持ち帰り梱包用というかなんというか。
上半身びり、とかやるのも似合いそうだなー、と思ってました。
あと男の趣味がいいっすよね。
ヒミコが色っぽかった、「お、」と思った途端にキスしてたので、監督がいいのか俳優がいいのかよーわかりませんが。ヒミコ良かったなぁ。


まあ、「ヒミコの相手だってんだからもうちょっと期待してたのにー」というところのほうがとても実力がわかりやすくなってたような気もしますが。
ところで美味しい不味いで男を表現する気持ちはとてもよくわかります。
そんなところに同感しててどうするという気もしますがわかります。




てゆーか、この映画を女が見たら「男性同性愛者」っつーかゲイを相手に恋愛がどうなるのか、ということに気を掛けるような気もしますが。いやでも、男のバイはフツーに生活してるものだから、まあ無理だろな、ということはなんとなくわかっておりました。
だって肉体的な壁は越えにくいっす。


それが子作りとかの義務だっつーのならばともかく、情に起因しているのならなおさらでしょーな、潜在的にバイだったら良かったんかもしれないけどねぇ。
ちなみにゲイと一緒に行動するレズビアンの女性にはバイ比率が多く。
レズビアンレズビアンのみで集団を作るというのがわりと一般的なよーです(おかまさんに確認してもらったから、少なくとも大きな勘違いはないと思う)。
いや待て、なにを語っとんのじゃ私は。


ヒミコは昔、主人公の母親と家庭を持ち。
しかし主人公である娘が生まれた後に本性に目覚め、去って行ってしまったもので母親は病気になりその借金にいまだに娘は悩まされていたりするのですが。
そこにのこのことヒミコの今の男が現れ。
割合と高級で世話を頼んだりしてみました。
グループホームみたいな≪メゾン・ド・ヒミコ≫のお手伝いさん。
そしてその男と主人公の間にも心の交流めいたものがあったりとか、まあその、なんだ、ヤリ掛けたんだけど至らず、みたいな。


しかしその前に主人公は他のゲイに話を聞いていたから、あーやっぱり、みたいな結論に至りましたけども、その後友人づきあいはしてんだよ、という感じに映画は閉ったわけですが。お前本題見とんのか、というこの気の散らせっぷり!




私は、なんでだか知りませんが常にマイノリティの側から話を見てしまいますもので、一番共感出来たところ、というとストレート(男性の女性愛者)をそちらの道に引っ張り込んだことを数で認識していたオダギリジョー、という。
お前せめて個別認識してやれよ、と突っ込みを入れるも自分でもそうするなと。
バイは結構多いんだよね、潜在的ホモセクシャルの数までは私が知るわきゃありませんが、正直少なくないんじゃないのかね。


そんなことのために映画があるわきゃないんですが。


主人公が結局手に入れたのはなにかなぁ、と思うと、かなり女に手の早い勤め先の社長と(まあ長続きはするでしょう)、ゲイのグループホームのご友人一同。
父親と死ぬ寸前の和解。
そしてぴちぴちの、手に入んない元父親の愛人の、わりと「あんたのこと抱けていーなー」とまでは言ってくれた美しいゲイ。


勝ったんだか負けたんだかわかりませんが、なんつーのか、うーん、さて一体、なんの話だったんだろうかと聞かれるとふとわからなくなります。ホームには時折落書きがされて、ヒミコが死ぬからと資金も引き上げられてしまう。
近所の子どもたちは彼らになんか投げてくるし。


美青年はホームを守るために金持ちのヒヒじじいに身体を投げ売ったりするんですよ。
不味かったー、というのが私は本音だと思いますが。
最終的にホームが存続したのもやっぱり似たようなことしたんじゃねーのかなぁ、と思ってます。まあしゃあないよね。


そうそう、ホームの中に、他にも家族を作って捨てた人がいたりとかね。
いやなんの話かというと、うーん、孤独と人間の話でしょーか、ゲイじゃなくても好きでもお互い寝らんない相手なんて結構いるだろーし、ということでもないのか。


人間の話だと、思いますよぅ。
あんまし相容れないハズの人間たちが出会って、取っ組み合いの喧嘩しちゃったらどっちも成長したし、どーにもならん部分もあったし、奇麗ごともちょっと、汚い部分も結構。
そうしてお互い大事な人らを見つけましたよと、まあそんなですね。