『この人この世界』ギョッとする江戸の絵画・#5 猛獣戯画−長沢蘆雪

Wikipedia長沢芦雪


丸山応挙って名前はよく聞くんですけど、性格面に関しての噂は耳にしたことないな、、、というか後世に残るというのはまあ多分、よっぽどのことなんでしょうが。
しかし弟子であるこの芦雪(ろせつ)が、なんでか性格のことばっかり。w


なんとなくですが応挙と芦雪は結構上手く行ってた気がしないでもないっす。


いやもちろん、責任ある人は口に出来ないでしょうが、そう思われる方はそんな少なくないのではないのかなぁ。なんというのかな、応挙と芦雪ってもし駄目だったとしたら誰の目にも明らかな形で完全に決別するよーな気がするんですよ。
それがなかったのなら、根拠はないのですが悪くない仲だったのではないかと。


つーか別に、芦雪さんて応挙さんに師事してなきゃなんない理由はないわけですやん。良いとか悪いとかを全く別にして。
なんとなく逆に、応挙さんに興味が出てきちゃったな。
ものすごく正統派というか、端正な絵を描く方ですよね。
天才というよりはどっちかというと、「秀才」。




そんな人が、こんな、破天荒というか天才かどうかの紙一重っつー人物を曲がりなりにも生涯手元に置いて、その無軌道振りを唯一許していたんですから不思議といえば不思議。そしてさあ、応挙の元にさえいなきゃ。
もしかしたら評価「天才」になったんじゃねぇの、芦雪氏よ。


猫が虎っぽい顔をしてるわ。
虎が猫っぽく丸々としておるわ、いくら躍動感を出すためといったからって前足二本をまとめて描いてしまうというか(よく見ても重なってるわけじゃない、てか解説の辻さんが見てたんだから専門家っしょw)、勢い重視の画家さんで。まー、緻密で細かいというか、若干煩いくらいに描き込む江戸の画家さんらに比べたら(ちょっと待てどのジャンルと比べてる)、まあ写実性とかいってたら悲しくなりそうなんですが。


注意されたら「だってそう見えるじゃん」と軽々と返して来そうです。
(虎が駆けてるの見たことあるのかよ、と自分の妄想に突っ込みたくなる。)


つーかむしろ、そう見えるんですけどね。
後ろ足は反動でばらけるけど、前足は一緒に動くもんなぁ、虎とか猫科のあの辺(私はテレビで見たわけですが、昔の人はなに見てたんだろ?)(しかしそう考えると実際に走ってる姿を見てるって考えるほうが妥当か)。


ええと、ちょっと待て、前回の伊藤若冲と微妙に混ざってて。。。
いや、どっからどう見ても全然タッチは違うんですが、なんつーのかほら、本来あるノウハウを無視って好き放題とか写実とかけ離れてるとかちょっと似てますやん。あっちはほとんど趣味の画家で、こっちはよりにもよって応挙の高弟だったりしますけどね。


しかし高弟って立場を利用して売り出した形跡もまたないのか、ふーん。


一体どっちがすごいのか、という結論は避けておきますが。w
ああそうだ、「表情のある動物」というのはどっちにも共通してるんだ、真面目に鳥がどっちかわからないなー。;




タイル一面に動物を描いて、それぞれがそれぞれの表情っつーか、どう見ても人間です(形がではなく、表情が、ホントに)本当にありがとうございましたって感じのは芦雪だったっけか。
てか、あんな素材どうやって手に入れたんだろ?
しかも発表したらしい形跡もないし、どこに保存してたんだというか、死後どうなってたんだというか、そもそも誰が持ってたのか番組内で語ってたっけか?


ねーねー、応挙さん、なんか知ってますか(なにが言いたい)。
嫌な仕事を破天荒な弟子に押し付けて、おめーの絵が欲しかったんじゃねぇぇ、とわなわなと震えてる依頼主とか思い浮かべてたりしませんとも。いやそこまで行かなくてももちろん妄想なわけですが。
なんとなく芦雪の絵はあんまり好きじゃなかった気はしないでもない。


てか、応挙にはプライドを感じるわけで、自分の絵がやっぱり好きだったと思うんですよ。んで、仲が良かったとまでは思えないんですよ性格的に。


しかしなんでこうも応挙さんに拘ってるんでしょうな私は。
芦雪さんは面白いんだけど、まあ表情のある動物というのも不可思議なんだけども。やっぱり丸山応挙の下を飛び出して欲しかったというか。少なくとも死後、その場に残り続けるというのはやっぱりちょっと醜悪だったような気がしないでもないんですよ。
なんていうんだろう、完成品って気がしない。
そうじゃなきゃならないってことではないけど、必死だった気もしない。


そこがいいのかなぁ? もしかしたら。