「ウルトラマン誕生」実相寺昭雄

ウルトラマン誕生 (ちくま文庫)

ウルトラマン誕生 (ちくま文庫)

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はっきし言って、なんかシンプルな頭の人っすね。
つーかなあ、「いつまでも変わらない」という人はあんまり複雑な頭をしていたらちょっと難しいよね。しかも曲がりなりにもクリエイターの領域で仕事をしてんだし、単に他人の意見を受け付けないのでは長くは続かないですやん。


人の話を、納得さえすればしっかり聞いて。


そいでもってそのままアウトプットするという恐ろしいくらいに単純な思考構造に、ちょっと唖然としてしまったりしたんですよ、幾つか感銘を受けた、「自分の不覚を恥じた」という人の言葉があるんですがね。
それを受けて作った話がいちいちと頭に昇るのはどうしたものかもう。。。
そのまんますぎるんじゃ、もうちょっと捻ろうや...orz


持たざる者の強みーって、なんか違う、絶対違う。
(カルト人気、マニア人気、いわゆる特撮そのものに「大人の」視点に耐えられるという評価を持ち込んだのがそもそもこの人だったりするんですがー)
(別に喜んでなさそうだな、この性格では。;)




ところでメトロン星人が四畳半にいたのは。
どうもこの人が勝手にやっちゃったみたいですよ、海外に売ることを前提にして、様式の車にお家ばっかりせっかく頑張って出してたのにー。四畳半に畳の部屋、ちゃぶ台に座ることをダンさんを勧めるメトロン星人ー(よく見るとちょっとかわゆい)。


ということは本には書いてなかったんですが、この人のWikiに。


そして周囲からめためたに怒られて、その上でいーんじゃねぇかと庇われたっぽいですよ。えーと、『ウルトラセブン』だから当時、金城さんとかかな(メイン脚本さんス)。で、ところでなにを考えていたんでしょうか。
本では書いてなかったからよくわかんなーい。


あとはまあ、別の円谷英二氏の番組のほうで書いちゃったんですが(どうしていつもちょっとずつ書くべきところがズレるんですか)、円谷さんの基本方針。
「子どもたちには美しいものを」と言い続けたという。


しかし微妙にいつまでもいつまでもいつまでも子どもっぽいところのあるこの実相寺さんは、もっとおどろおどろしくー! みたいなことを考えちゃあ、シリーズ随一の愛嬌者を生み出していたっぽいですよ。
なんで途中で怒られなかったのかというと、素直な趣味じゃあしょうがないよな。
子どもに「辛いモノ見せねば」という自分が与えるっちゅー自惚れはほとんどこの人抱いたことがなくて、自分がこうしたいのだーっ、という感じの態度なので周囲は咎めらんなかったんだと思います(だって同じく子どもじゃんな)。
てゆか、ほとんど戦わない可愛いのになっちゃったのも偶然じゃない気もしますぜ。


ガヴァドンスカイドンガマクジラって。。。


アンタ、本気で醜いもの、おどろおどろしい物を生み出したいと思ってた意思がそこまで挫かれまくってると笑えるぞ?! つーかなにをどうされてそうなったんじゃ!
ガヴァドンは土管に描かれた白いぼやー、としたころんと丸っこい怪獣。)
スカイドンはただひたすら重いだけで他になーんもしない。)
ガマクジラは真珠を食べるだけっす)
コンセプトと最終意思がそもそも合ってねぇぇぇぇぇ!!!




あっりー、おかしいなぁ、破壊やりたいのになー?
と「戦わないよね」と指摘されて小首を捻っていた辺りにうっかり萌える寸前でした、ひょっとして破壊衝動ねぇんじゃねぇか、実相寺さんよ。


んでセブンで四畳半に住む宇宙人かー。
(戦ってたけどさ、その前にダンさんに協定申し入れてた。)


てゆか、わりと自伝ってのは周囲の人が浮き彫りにされる傾向が強く、当人のことが伝わってくることが少ないものなんですが(時代資料としてよく使ってます、主観的という前提に立ってると非常に理解しやすいんだよね、「主観的である」という客観性があるというか)(言葉遊びじゃないっすよ)。
この、わりとわけのわかんない人はさすが、自伝書くと当人のことしかわからん。


他の人がどう言った、こうしてた、というのがたまにあるものの、「それを受けてどう思ったか」になっちゃっててその人の意思ってのが全然なんだよなー。不思議。


いや、否定してんじゃなくて。
それがあの独特といえるような世界を生み出しているんだろうね、きっと。こういう人ばっかりだと困るけど、こういう人がいるってのはなんかいいよね。


えーとえーと、あ、あと撮影手順とか書いてました!
高さ欲しいよねー、あとなんにもいらないからー、というところにウルトラ監督らしさを感じてちょっとにやりとしましたが。金掛かるんだろうなぁ(適当に触れすぎス)。