『X-MEN』

『X-MEN』
監督:ブライアン・シンガー
出演:パトリック・スチュアートイアン・マッケラン
  /ヒュー・ジャックマンファムケ・ヤンセン


多分元の話はヒーロー物なんだと思うんですが。
この映画は裏面のみ、という結構すごい構成になってますわ。


ぶっちゃけ、その状況下でなんで制服着てるのですか...orz(ラスト)


というラストから語ってますが、そもそもが超能力集団? ミュータントという遺伝子異常の超能力者らが、わりと頻発して生まれてくるという世界観。
彼らを排斥すべし、とぶち上げる政治家。


――我らの子どものクラスメートに、教師に、ミュータントを与えるなどという非人道的なことが許されてなるものでしょうか!


よしおっけー!(えー)
いや、ミュータント自身の人権を考慮にさえ入れなければ完璧な理論に見えます。やっぱり物語りの悪役はこうでなくっちゃ(子ども向けはむろん除く)。おまけに隠すのは何故か、隠すのは自分たちが後ろ暗いことがあるからに決まっている、そうでないのなら堂々と登録して世間に自分がミュータントであると公表できるはずだと。




てゆか、私もこの理屈に反復するのは難しい。
単に話の外にいてつらつら眺めてるだけの傍観者でもそうなんだから、実際にこの言葉を例えば己に対するものとして浴びせられた時、どうすりゃいいのかってなんて考えられることって少ないよーな気がするな。
それこそ、悪意に凝り固まって反論の機会でも窺ってない限りね。


そして正直、確かに周囲にいると怖い少女が出てきますしね。。。
(触るだけで生命力を奪われてしまう、という)


彼女くらいになるともう世間の扱いがどうなんてことは頭になく、とにかく自分の居場所を探して精一杯。多分、ミュータントのみの学園があると噂で聞ーたとかなのかなぁ? 酒場で偶然会った拳から金属の刃を出す男性にぺったりくっ付いて行ってしまいます。w
これ、最初見た時はそーでもなかったんだけど、ウルヴァリンが結構オヤジっぽいというか、ローグ(こっちが少女)に対して子どもみたいに接するもんだからなんか親子みたくに見えてきましたねぇ、良い良い。ww


てゆかさぁ、ローグとかウルヴァリンってなんの名前?
本来別の名前だったって(人間社会では)いう前振りはされていたんだけど、肝心の異名(?に関してどうやって名付けられたのかは触れられずじまい。
まーぶっちゃけ、事件続きでそれどころではなかったですけどね。
(学園の生徒たちにもあったよね、まあ彼らのほーは作戦のコード名とでも認識すればいいんだけど、無関係の少女らにもあるからますます違和感というかなんというか。)




基本的に話は、冒頭の政治家。
「ミュータントを隔離して火星に送るべし!」とまでヒートアップした意見を述べる(遠い親類に一人でもいたらさすがにとても賛成しにくいぞ;)彼を、ミュータント側の過激派のマグニートーおじーちゃんが捉え。
ちょこっといたぶってから、「細胞の突然変異」を強制的に起こさせて。


要するに普通の人間をミュータントにするという計画を立てているという流れ。
(ネタバレなんだけど、これ後半まで引っ張られる謎じゃないしまあいいかなと。)


しかしなんつーのか個人的な恨みで動いてるって気もしないでもないんですわ。
ただ、この映画において(もしかしたら俳優の力もあるのかもしんないけど)、それがマイナス要因になっていたかというとそんなことはないですね。
具体的にいうとラストのラストー。


――君や子どもたちが捕まる夢をたまに見る。


ということをまあ、教授(こっちが穏健派、ローグ、ウルヴァリンを拾った、つーかX-MEN創始者だな)に言うわけなんですが、これ、何度か考えたんだけど、実はどっちが言ってるかよくわかんなかったもんで。
やっぱり「悪」のマグニートーの台詞、だよなぁ。;
(エクゼビア教授は人間そのものを信じてる。)




いい話だったんだと思います、が、いい映画だったかはなぁ。;
特にあのシーンとか好きです、ミュータントを忌み嫌っていた(としか表現出来ない)政治家がミュータントに変えられて教授の学園に辿り着いて、ミュータントの女性に「ここにいてくれ」「一人にしないでくれ」というところ。
彼女が後々までそのこと引き摺っちゃったのもよくわかったよ。
全ての行い知ってても、それでもわかるよね。なんかね。


というわけで、半分しかストーリーに触れないまんま終ります。
シンプルならシンプル、複雑なら複雑って構造はあれだと思うんですが、緻密な展開にしてってクライマックスは力技ってのはうーん。なんとなく違和感。;
いろいろ好きなところはあるんだけどね。