『介護エトワール』

正直、あらすじの「策を思いついた」だったかな?
そんな文章を鵜呑みにして、劇的な変化っつーものを半分くらいまでずっと待ってしまったんですが、なんてーのかなぁ、わりと後半から見入ってました。


この番組を見ようと思ったのはヒビキさんタロウさんのせーでな。w
ドラマデータを調べてたら原作が遥瑤子さんだってわかったとゆーか、うーん、上手く言えないんですけども、介護っていうテーマで彼女だったら見てみようかな、と思ったんですよね。いや、本当になんと言ったらいいのか、女性にしては、現実から逃げるのがものすごく不器用な人っつったら変に聞こえるかなぁ。
男の人ってわりとこの辺不器用な気がするんですけど。
(だから空想の世界に入ると帰って来れなかったりするんだけど。)


女ってわりと簡単に現実とそーでない世界をぽんぽんと行き来してるって気がするんですよ。それが優れているかどうかってのはまた全く置いといて、単に違いとして。
(しかしだ、作中のヨウコさんの恋人はなんとなく現実と理想との折り合い上手そうだったかもしれない;)(もしかしたらそれは学者肌というのかもしれない。)
んでも、それだけでは我慢しきれないのが「介護」ってものかもしれない。


わりとソフトに描かれてたよーな気もしますが、オムツだよな、やっぱり。
シモの世話キツいっすよ、家族ならなんとかなるけど赤の他人のは嫌よねー、と母親が今更ながらにして呟いておりました(そんなだから離婚するわけですが)(しかし私、それも別に悪いこととも思えない)。私も覚悟出来るかっつったら出来ん。




いやだからつまり、オムツから逃げるためにだ。
家族っつー幻想フィルタの向こう側に逃げるんでなくて(それは申し訳ないけど他人には共有出来ない、ウチもいつかは、というふうに思うことでドラマとしては成り立つけど、それってやっぱり“娯楽”にはならないと思う)、とりあえずなんとか前向きにー! という感じで進むのが遥さんって人な気がしたんで。


――愛は、オムツなのか?!
――私にとってはそうよ!


えーとヨウコさん、この馬鹿男をとりあえずキープしておくことをお勧めします、わりとそれなりに男というものについて思うことはありますが私、そこまで柔軟だったら男としてはかなり頑張ってる!
要介護親父の葬式後にすぐにプロポーズという、駄目じゃん展開も。
(まあ気持ちはわかるんだが。)
いろいろと他にフォローをしていたので、まーいっかー的に思えなくもなくもなくも、てゆかどこぞの大学でマスター取ってドクター取らずに、水族館で下っ端ってなんですかその若干居た堪れない設定は!
モデルいるんですか遥さーーーーんっ?!(ところで「遙」だったかも)




とりあえず、バレエの公演中。
父親がうんこを漏らした、とゆーような電話から話は始まり、妙に浮き世離れした恋人(&父母)とその婚約寸前みたいなエピソードを挟み、28だからダンサーとしてはぎりっぎりー、みたいなところで来たオーデションの話と。
父親が脳溢血(だったかなぁ)だかで倒れ、半身不随になり。
看護しなきゃならないって、女しか予定に入ってないのかー。。。
(あとは息子ばっか、でも子ども多い、お母さんいるけど介護しない。)


とゆー、かなり暗いよく考えてみると斜めってる設定ですが。
そして作中の家族の不理解、「いい加減に夢見るの止めて家に入れよ」とかゆー決め付け、「結婚したら金は誰が出すんだよ、てか出せよ!」とかいう恫喝みたいなことまで言い晒す兄やら弟やらいるわけなんですが。


何故か絵面はちっとも暗くなく、正直途中で兄嫁が、暗い顔してばきばきとモグラ叩いてたのにやべぇ〜、と勝手に思ったものの。
兄は彼女を連れてハワイに旅行に行っちまいました。
てゆか、「アイツ、もう限界やねん」て言葉のほうが良かった。
なんだ手伝いはしないけどちゃんと見てるんだ、とゆーか。


そーだよなぁ、やんなくていいってなったらわざわざ申し出て、なんてちょっと普通の人には難しいよなぁ。女だけが、という不文律があるのを、わざわざと壊すってのはむしろ逆にものすごい聖人じゃないと無理だ。
うん、フツーの人なんですよ。んで、そーいうふうに描かれてた。




ただただヨウコさん(字わからず)がすげーく強かった。
「親ってありがたいなぁ、自分が年老いたらどーなるのか、死んだらどうなるのかってちゃんと見せてくれる」って、葬儀の煙に向かって言ってて。
ああ、とことんどこまでも現実から目ぇ逸らせない分の。
辛い分への神さん辺りからの贈り物かなぁ、とちょっと思いました。


どこがどうってわけではないんですが、面白かったです。
なんていうんだろう、我が身に置き換えてとかじゃなくて、身につまされるみたいな意味じゃなくて、楽しかったんですよ。不思議ですが。