『ULTRAMAN』

『ULTRAMAN』
監督:小中和哉
出演:別所哲也遠山景織子
  /大澄賢也裕木奈江


ハムの人だ!
というのはいくらなんでも感想を押しのけてというほどのもんでもないと思います、つーか、結構これ絡みで愚痴ってたはずなのに上のフレーズで吹っ飛びました。笑いは世界をわりと救うと思います、っつーか笑ってすみません。
(でも、丸大ハムのCMの人ですよねっ。)


ハムの人がとても良いお父さんでした。ハイ。
本当に良い感じだったと思うなー、まず息子があと一年の余命だからって自衛隊を止めて民間の調査会社に(空からは降りられなかった)、少しでも一緒にいられる時間を増やそうとします。
てなところで、「赤い光」との衝突。
死を覚悟したものの、謎の生還ー。
彼がぶつかったのは銀色の巨人、ウルトラマン


これってなんか初代のシーンって言われてますね。
ウルトラマンとの対話ってのは私は始めてみたかな、自分の中にいるウルトラマンと憑依された人が喋ってるの。いや、なんか苦労人同士って感じでねー。
お酒の席とか似合いそうですよ(なんの話だ)。
ネクストさんもなんか眉間に皺寄ってそうだもんね。




ちょいとびっくりしたのが、どーも冒頭のシーン、本当の自衛隊の基地で撮っていたって辺りでしょうか。さすがウルトラマン。。。
やっぱり全然質感違うのでわかりますね。
あとでメイキングも見ましたけど(「運転してーーーーっ」って別所さんが騒いでました、気持ちはわかるw)、多分画面見ればわかると思うなぁ。


わりと否定的な意見もあったんですが。


これを見て、がんがん説教ってのにはそりゃ個人の感性とはいえちょっと賛成しかねるなぁ、お父さんが奮起して、誰かを助けるのに至って、自分を運命に巻き込んだウルトラマンすら笑って許すってのはいい話なんじゃないかなぁ。
「いいよ」というシーンなんかかなり好きですよ。
『ネクサス』もそうだけど(『メビウス』も)、ウルトラマンが絶対者じゃないんだよね、常に。それが気に食わないって人はいると思うけど、昔っからそーだったんでないのかな、ウルトラマンに限らずヒーローって。
それこそ初代もぶつかっちゃったんだしさ。
だったら、それを許したり助けたりする人間がいてもいいじゃんかなぁ。




んで、それよりも前に「青い光」とぶつかっていた人が、怪物になっていたので自衛隊? の人らに拘束されてしまうことになりました。
この彼に直接接触するのが、遠山景織子さん(役名覚えてないっ)。


丸顔の人なので普通にキャップを被ると目立ちますー...orz
あとで髪を下ろしていたシーンとか良かったんですけどねぇ、キャリアって感じには見えなかったんですが、そもそも設定に甘さを含んだキャラクタとしては良かったです。しかし、いくらなんでも「元婚約者」を追わせるものかなー。。。
最初に逃げ出した時、撃てなかったっての、仕方がないとしか思えない。


いっそ、彼女が組織から逸脱して、というほうが良かったような気も。
というのは、気になるというより、組織自体がほとんど話に絡まなかったからですね。一応は裏方で働いていたけれど、ほとんど遠山さんが前面に出っ放し。
多少は別所さん(をぃ、だから)が逃げ出した時に揉め事があったりもしましたけども、基本的には遠山さんの意見が通ってたしなぁ。
つーか、いくらなんでも彼女に任せきりな気もしましたよ。


だからなんというか、SF的な要素、サスペンス、謎解きともにほとんど存在しなかったと言っていいかもしれませんね。




ただ、メインはあくまでも人間模様なのでそれはそれでまあ良いです。
彼女の「甘さ」。
もう一回「元婚約者」と対峙して、相手が記憶を取り戻したような素振りを見せるのに(別所さんが意識が半分くらいしか乗っ取られてないらしいので、相手も、というようなことを言っていた直後でしたし)、それを撃ち。
けれど手が震えているのか外してしまうっていう弱さも少し良かった。


子どもの側にいたいからって逃げようとするお父さん。
逆に、自分しか人を救えないからって化け物に立ち向かおうとするところも。
自分を利用しようとしている相手らに、それとわかっていても「自分にしか適わない」敵が出てきたら向かうところも、奇麗言にもみえなかった。
そーいうもんだろうなと納得いきましたよ。


まあ、薄かったといえば薄かったかなぁ。w
むしろテレビでやってたらそこそこの年齢層のターゲットに受けたかもしんないなぁという気もします。お父さんなら気持ちがわかる部分もあるんじゃないかしら。
これ、守ってもらう、というのじゃなくて、守る側の視点の話だよね。