#496 城壁都市シバーム(イエメン)

まず、なんで家が高いかという謎掛けに始まり。


構造の説明、土台作り、そこに使う塗料、と延々と家に関する話を聞いていたらいつのまにか案外と風土に関しても人々に関してもついでに祭事なんてのも一つ二つ聞くことになっていたというかなりの良構造なのではなかったかと思います。
明らかに付け焼刃の作りじゃなかったなー。


そして、その土地で取れる≪乳香≫。
それが金と同じ価値を持っていたという過去の時代と、そこから生まれた富の副産物、反映、忘れてました「シバの女王」という旧約聖書に登場するよーな人物にまで記録が遡れるのだという冒頭の前置き。
アラビア半島の南端のそれほど大きくない都市。
しかし非常に大きなオアシスの話です。




さて、今回は内部に特に不満がないので。


Wikipediaシバの女王


知恵の王と言われていたソロモン王のとこにやってきて、なんか鏡が床に張ってある部屋なんかに通されたら足が山羊だったという、比喩なんだかなんかよくわかんない伝説なんですが(オチがなかった...orz)(なんかの冗談なら冗談で解説プリーズっ!)。
あと、ソロモン王との間に子ども作ってから帰ったそうです。
あっさりしてんなー、遺伝子欲しかったのかしら。
(まあ、ユダヤっつーかイスラエルの王の中できちんと余所に威張れるのは彼くらいですけども、聖書の中でわりと一方的にいろんなの土地の民族との関係を書いてますけど、相手からも受け入れられてるのはここくらいじゃないのかな?)
(アフリカ系黒人が義絶された子の子孫とかエラい傍迷惑。)




でもって、なんで広大な土地があるのに高層住宅かというと。
――ご覧下さい、ビル一軒が家一軒、けしてこれは集合住宅ではないのです、そして家が高層化したのは5百年ほど前の洪水に遡ります。この都市は南北で分断されているのですが、そこが当時の洪水の跡、今でも雨季になると水に沈むのです。


みたいな。
実にいい感じに要約されていました。
その時の洪水の教訓にて、一階二階が家畜のスペース、三階が男たちと客人の場所、四階が女と子どもの場所、家族以外の男性は入れないようです。女たちは、建物と建物の間に張り巡らされたロープを使っての女同士の交流。
イスラム圏なので、女性は家族以外に姿を見せてはならんのです。)


いざ高層化してみたら、さらに建物をくっ付けあうことによって雨風を防ぐ効果も発見、という感じに、この都市は維持されてきたよーです。しかして、崩れた建物を見るとなんと木と日干し煉瓦のみの建築(最大7階建てくらい)。
これを支えるために下層階の土台を厚くし、大理石を火にくべ、水を掛けて冷やし砕いて粉末状にしたものを水に溶いて塗ります。これは高級なコンクリートみたいなものかなぁ。高価らしいですがあくまで土地のもの。
(そして燃料は家畜の糞を乾かしたもの。)
必要なところにだけ塗るのが基本で、この塗料の塗ってある面積を見ればその家の財政状態がわかるとのことですよ。わーい。


その上、寿命がきたら土に返るというオマケつき!




という、とんでもなく張り切ってかなり忠実に伝えてますが、こういうの大好きです、すっごく好きー!!
なんか趣味の方向性とかいろいろトチ狂ってんじゃないかという気は、時々どころかしょっちゅうしているんですが、とにかくこの回は今まで見た『世界遺産』の中でサイコーでしたよ、こんなに夢中で見たことなかったねっ。


いやもちろん、都市自体の緩やかな進化。
非常に無理のないサイクルと、それでも着実な発展というもの自体が良かったからだとも思っていますが、なんていうのかそれに対する愛がある。


多少不自由である土地にでも暮らす、という民族が語られることが多かった。
もとの資源が少ないからどうしようもなく、そういう生活しかしようがなかった人らもいましたね、それが不幸だって思ってるわけではない。
この都市にだっていつか限界は来るんでしょう。
過去の繁栄のあとは、もうすでに廃墟と化して横たわっています。
(土木工事でダムを作ったらしーっす。)


しかしどうも、私はこの都市が好きですね。
とても楽しい回でした♪