Task.7「火竜(サラマンダー)のウロコ」

私が滅びろと思ったから世界は滅びる、だったっけかなぁ?
昔一度見た時は予告のコレが妙に好きで、まあその時はちーと特撮絡みで荒みきってることがありましたもので、なんというか、フィクションの役割みたいなものにひどく拘っていたというか、まあとにかくその時の気分にぴったりだったんですよね。
そしてこの次の回からレビューを始めたというかなんというか。
ここから始まったわけなのですが、一年、以上かな、経ってしまうと「あー」と当時の感情はさすがに結構強烈だったから覚えてはいるのですが、その時と同じ感慨は得られない、多分こう、すっかり荒んでたのが開き直っちゃったんでしょう。
(しかしまあその部分に関しては、ということになるわけですがあくまで。)


その節はお世話になりました。


で、まあ、チーフが大好きな小説家の先生が、かなり長い間絶筆していたのを破っての執筆再開をしていたのですが、もとのわくわくするような冒険モノではなく(まだ足りんのか、貴様は)、なんだか暗く退廃的な人に絶望し竜になろうとする男の話。


でまあ、ここでリュウオーン陛下の人間フラグが立つわけですが、ぶっちゃけてこの辺りではちょっとその先の展開に期待していたものの、その後出てくるわ出てくるわ人と異形の中間みたいな存在がわらわらと。
そもそも青い忍者集団の一人も進行形でそっち進んでいったようにも見えなくもないわけで、こういうモチーフ自体はいいものの、なんかちょっと食傷気味というか、多分最初に出てきた途端に一直線に突っ込んでった銀色の追加メンバーとかは楽しいのだろうと思うので素直に楽しみにしておくのですが。


ある意味で陛下なんてのはちょっとおしかったかな、という面子の一人です。
つーか、敵が複数だとそれぞれとの決着をなんらかの形で付けてやらないとならないわけなのか、デカみたいに完全にばらんばらんだとそんな必要もないわけですが。


番組としては失敗はしてないけど、この寡頭制ってのはちょっとこう、完全に生かしきれてはいなかった部分なのではないのかと個人的に思います。特にチーフとの因縁が思い切り匂わされていた陛下やらヤイバとかな。
(クエスターズは可、むしろあっさりしてるところが逆に良い。)
じゃなくて。
すみません、最初から純粋に順番に読んで来られた人(しばらくは全く心配してないですが)(そもそもカウンタ廻ってるけど読んでいる人の想定というのを実はあんまりしたことがありません)。




自分たちの装甲の一部に使われるプレシャスが届く、という連絡をもらったところ、なぜかそこに竜人族の襲撃が。それがちょうど、チーフの読んでいた小説の通りで、試しに小説でその怪人の弱点とされていたところを攻撃したところ、見事に撃退できましたり。
なんでそんなことになるのか、と小説家に会いに行ったわけなのですが。


小説家は、もうどこにも純粋な冒険モノを読んで喜んでくれるような子どもはいない、と嘆いておられるわけですよ、もっと暗い、刺激的なものが好まれるしそういう社会、世界になってしまったのだと。
どっちかというとそれは出版社の方向性のような気もしないでもないですが。
いろんなものを好きな人間がいて、という認識で済ませておけば良いものを、あといっそ絵本装丁にするとかな、いや売り方次第ですよ。とか本気で小説家を宥めに掛かってもかなり無意味なわけなのですが。
しかしまあ、逆に言うと彼の気持ちがわからんでもないということです。
というか、オタクと言われる人の数割は似たような感覚に陥ったことが一度ならずあるのではないのかと思うんですよ、なんで完全にしがらみから自由なはずのフィクションの世界ですらこんな! つまり本心から求めてるのがそんなじゃないのかと。
いうわけではどうやらなさそうだということはだんだん歳くってわかるようになりました、なんというか絶対多数って微妙な調整作用が起こっちゃうのよね。というかね。


実際には、手に入れた竜になろうとした男の手記を元に小説を書いていましたわけで、それで状況の幾つかの部分が合致したんだな、ということになるようです。
それ以外のことは偶然なのか、それとも堕ちた時のリュウオーンと小説家の先生の嘆きってのが似ていたのか。でももしそうならば、ある意味で過去の男の嘆きに救われたことにもなるわけで、それは絶望を加速させたのかもしれないけど、ボウケンジャーが関る前にすら一応の道しるべだったような気がするのですよ。
まあ、小説という手段を持っていたから道を踏み外すこともなかったとも言うのかもしれないのですが。




とある男どもの過去と現在の嘆きと。
それに対するあまり答えにはなってない、けれどある意味、もうすでに同じところを通り越して先に行ってしまった男、チーフとの対峙の回だったのかもしれませんが。そんなことはむろん今適当にでっちあげた内容であることは言うまでもありません。


でも明文でのチーフの答えってなかったような気がするんだ。
けれど他ならぬ彼の立ち位置ってどうしたって、嘆きとは違う方向だと思うんだよね。その存在そのものが、すでに充分。