第15話「殺人セレブ」



説教が嫌いというよりは、浮いた会話が苦手というか。


要するに、受け手が「物語りの中」に存在しない、微妙に虚空に向かって口にされるよーな言葉が苦手なんですよ私。
それだったら、青年の主張にしてくれやっていうか。
まあ、人のことは言えないよーなコトを自分でしてる気もしますが。
(あー、近親憎悪か。)


だから、その人間でなきゃ言えない、それを聞く相手がちゃんといるシーンなどであるのなら、別になにを言っていようが構いません。
物語りとして成立してりゃあいいんだ。
それらにわざわざ反応する人がいることは知ってますが。
そりゃむしろ、物語りに感銘を受けた(いい意味)もしくは自意識過剰ってぇもんじゃないのかしら。




セレブな奥さんの繰り返し繰り返し口にしていた。


「物に執着してはいけない、執着をすると悲劇が起こる、、、」


という言葉は、浮いていると見るにもなんつーか、軽すぎて。
と思っていたら、即座にそのまんまの展開をしていた人間が登場したものでー、説教臭いなんていう非難は当たらず。
非常に説明臭い話に仕上がっていたと思います。


見ておわかりのとーり、褒めてません。
直接的すぎるんだってば、なんつーか。


どーも、どっかのアンケートで見掛けた「心理的な要素」というのに振り回されてしまった作品なよーな気がしたんですが(『相棒』の満足度調査だったっけ)。見当外れでしたらすみません。


ただまあ、トラウマっていうのは、基本的に「原因」がはっきりわかっている場合はそんなに強い行動に出てくることはないんですよねぇ。
あの話は、完全に全部が記憶されていた。


てことは、強迫観念のよーに「己でもそう行動することが止められない」というほどのレベルではないはずなんですよ。理屈の上では。
で、実際に物を貰っていた側から見ると、自分を哀れんでいるのかもしれない、なんてぇ感慨を起こさせるよーな程度のものに見えていたわけですし。
理には叶っていたと思います。
しかし、これを上手いって言うのはなぁ。。。




もちっと病的に見えていたもので、いや、次回予告なんかではね。
そのほうが、少々強引でも面白かったと思うんですよねー。
「執着」と「悲劇」のつながりをもう少し弱くして、執着を自分の身内か親しい側の醜さとして表現していたら、病的なトラウマとして成立したんだろーになぁ。


小学校時代のエピソードで、ごく当り前の会話。
では説得力としてあまりに弱いから(自覚はしてたわけですね)、その相手を「自殺させてしまう」という水増しの仕方は、いくらなんでもどーかと思いました。


娘さんの心配とか、「お母さんおかしいの、、、なんでもかんでもあげちゃうの!」とかそーいう展開が、非常に良かったので大変に惜しいです。
てか、セレブ奥さんもキャラクタ自体は良かったのになぁ。




まあ事件自体はわりとどーでもいいです。
水準に達してたと思いますしっていうか、超定番でしたが、むしろ被害者の彼女のほーが感情移入出来たくらいだし。;
ラストのどんでん返しは。
どう見ても『はぐれ刑事純情派』ですネ掛け値なしに。


とあるセレブな奥さんは、な〜んでもあげてしまうという性格の持ち主。
その彼女から物を一番貰っていた女性が絞殺されて死にましたー。


もうちょっと真犯人に温情とかないんですか一体。せめて尺。
あれじゃ、ほとんど頭のおかしいだけの人じゃないですか全く可哀想に。
セレブな奥さんとか、右京さんの毛皮とか、女の子の帽子とか(あのエピソードは個人的に許しますが)、さすがにあちらに時間取りすぎでは?


しかし、前回の虫マニアに次いで今度は鉄ヲタですかー。
いらねぇ時流の取り入れ方なんではないかと思います。
ついでに今回、特ヲタまでー?
しかし、小学生の子が憧れる刑事ドラマって、今は確かにないなぁ、とちょっと寂しくなってみたりしました。
せめて往年の『はぐれ刑事』かなぁ、なんか切ないな。
(右京さんと亀ちゃんが『デカレンジャー』とか呼ばれてました;)(特撮っス。)
(露骨に亀ちゃんは知らない感じでしたが)(鑑識タン、知ってたりして♪)