『ゴジラ』

音楽は掛け値ナシにサイコー。

『ゴジラ』
監督:本多猪四郎
出演:宝田明河内桃子平田昭彦


あー、、、面白かった。


ていうか、違和感ねぇなぁ、ちょい古いテレビ番組なんてのは見てると目眩がしたりするんですが(まあ、今のバラエティもドラマもあまり見ないので参考にならんか;)、わりと美的感覚も似通ってんじゃねぇのかな。
それとも私の趣味が古臭いのか。


ん、でも、南海サルベージとかゆーてたとこの所長(よくどういう立場かわからんかったがなんっにも不都合がなかったのでそのまんま)とか、隻眼の博士とかちょい髪型変えれば現代でも十分に二枚目で通用すると思う。
なんていうか、わりとオーソドックスな美形さんだ。
(ヒロイン嬢は現代基準からするとふっくらめ、私は好き。w)




メイン・ヒーローの「ゴジラ」はぶっさいくだった、、、orz
なんていうのか、肌はでこぼこのぶつぶつぶつぶつだし、背中のトナカイの角みたいなひらひらは可愛いものの、顔の形が歪んでるよーっ?!
しくしく。


いやまあ別に、そんな話ではないんだが。


どっかで見たが、2作目にして超とっとと毒抜きされていたという、天晴れ日本人の適応能力と言いたくなるよーな顛末を辿ったものの(お茶目だったらしい)。
さすがに1作目のコレでそれはねぇですよ。
だいたいが、体全体に放射能を帯びているって設定を知らなかった。;




あと、時代はなんていうんだろう。
戦争を思わせる言動が、作中で一回(電車の中で一般市民が「せっかく広島の原爆から逃れたのにッ」)。


そして主に、水爆がキーワードのようにして進んでいく。
古代生物学者サンの言うことには、なんでも度重なる水爆実験のせーで、もといた棲家を追われてしまったのではないか。


彼ら、は、ジュラ紀の生物で、どこか海底の洞窟で延々と生をつないできたのではないかという推測がなされています。
ゴジラ」という名前は、魚を食い尽くすという生物の存在。
一番最初に襲われた島に伝わるっていう、祭のもとになったっていう、あまり海が荒れる時には生け贄の女の子を流したっていう、そーいう伝説の主ですよ。




筋があるんだかないんだか。
そもそも最初は船が沈む、というだけのことでした。
調査と救助に別の船を向かわせたらそれも沈む。


近くの島に、なんとか辿り着いた生存者を乗せて、陸に向かった船すらも沈む。
そしてその島に、嵐の夜に「なにか」が上陸し、家を潰し人を潰し、家畜を屠りました。闇に紛れるのか、あまりに大きいのかそれとも恐怖に竦んでいるのか、村人たちにはその存在が見えないしわからない。


調査団が派遣されて、そこで姿が目撃され。
そして写真が撮られ。
ガイガーカウンター放射能測定器)によって放射能が測られます。




そうして人間は反撃に転じ。


そのせーで、東京は火の海となり、焦土と化します。


正直、古代生物学者サンが、「あれを研究すべきだ!」というよーなことを言った時に、どーよーそれ、と思ったものの(娘のヒロイン嬢が「お父様、どうかしてしまったのよ」とちゃんとフォローしててくれますよ)。


確かにそのほうがなんぼかマシだったんじゃねーだろうか。。。
相手が殺せるっちゅー、確証がないまんまに水際作戦とかやっちゃ駄目だよな。;
正直、アレは人間サイドの自業自得なんではないかと思ってしまった。




つーかこの映画、よくわからないけれど。
街を壊したかったんかなぁ、となんか思った、壊したいものと壊したくないものがはっきり決まってるよーな気がなんとなくした。
この人(多分監督サン)、煉瓦が嫌いなのか。
それとも単に、煉瓦が崩れるのが迫力があるからかなぁ。


最後に、己の作った、まだ未完成で到底破壊以外には使えないという武器を抱えて自ら死を選んでしまう隻眼の博士とか。
繰り返される「水爆」、という単語とか。
言いたいことはなんとなくわかるものの、それがアジテーションみたいな域にまで達してたのかどうかもよくわからん。そんなつもりがあったよーななかったような。


けれど、どこかで少し息の詰まる時代だったんだろうと。
それを少ぅしぶっ壊して、ゴジラはどっかに行ってしまったよーな気がする。


うん、まあ退治はされたんだけどね、個体だけだしね?
まあまた来て下さいよ(そんな話じゃないです)。