第八話「指輪」



組んだ手の、印象ばかりがやたらと残る回でしたとさ。


どーして毎度忘れるのかわかりませんが、指輪くん(名前なんだっけ...orz)が「カオル!」とか呼んでカオルちゃんがびっくりしたシーンが好きだなとか。
ホラーに襲われた、あの連続殺人鬼サンの(気安い呼び方だなをぃ)、ホラーと組んだ手がなんか妙に美しいものとして認識してしまったのが、自分でびっくりだー、とか。


でもソレ、仕組まれていたような気がするんですけどね。
いやあのシーン、ホラーの体って単純にグロテスクじゃないですか、黒くてぼこぼこしててでろっとしていそうで、けれど組んだ手が、むしろ肌色同士でない分、どこまでがホラーでどこまでが女の手かよくわかって。
なんだかどうしても美しいものでした、あれは。
(全体としてはレイプみたいなんだけどさ。)




それにしても、あの女のヒト、要するに。


「お前は俺のピアノが目当てなんだろうが!」
と言われた時にですね。


「違うわ! 貴方の手が目当てなのよ!!」
ときちんと言い返せば良かったんじゃないかと思います、なんか破局はしても(ふざけとんのかと、でも本気だよな!)、その後の凶行みたいなことにはならんかったんではないのかなーと。
ところで、当の男がどうなったのか把握してません。
死んだのか、そうなのか。まあどうでもいいんですがー。




それからあと、10人殺して10本の指をそれぞれ集めても多分がたがたになるので、まあ10人殺すにしても両手のセットで残しておくととても合理的だと思いマス。
いくらそれぞれが奇麗でも、あのわりと行き当たりばったりの感じの犠牲者の選び方だとサイズとか合わせてないように思いますしー。
まあ、なんかちょっと両手セット10組を想像すると怖いのですが(今更じゃないかな)。冷蔵庫に入るかしら。
あ、実際の指セットは奇麗でしたね、さすが芸術家を愛しただけあるな。


ところで途中で女の子の指が混じっても良かったのかしら?
それとも女の子の指セットも揃えるつもりだったのかなー。


うんまあ、なんというのか、連続殺人というモチーフに対してなんも感じてないことはおわかりいただけるんじゃないかと思うんですが。
それも作り手の想定の範囲内だと思います、そこに拘る話じゃねぇ。
しかしだね、「彼女」がこーが君に対して。


「血で汚れた手ね」


とか言うな、さすがに君が言うなー。
なんてことくらいは思いましたよ。
ていうか、中にいるホラーちゃんが言ってんのかーっ、そういやぁなんとなく美意識とか煩そうな感じだよなっ、絶対場当たり的に獲物を選んだんじゃなくて、彼女を選んで憑依したんだと信じているよッ。




「なんであたしは、絵を描くんだろう」
というカオルちゃんのくだりが好きです。
そーいう括りに入るのだろう人間ですしねぇ、正直。
なんで書くのかわかりませんね。
書かなくてもいいじゃないかという思いもありましたが、それも通り過ぎて、今はもう書くのが規定となっているよーな状態です。なんでですかねホント。


こーが君を描くのも好き。なんで描くのか聞かれてよくわかんないところもなんか好き。
ところで間に入っておろおろしてる執事さんが可愛いですよ! ていうか、彼はカオルちゃんがやってきて、マジ喜んでると思いますとも。
生活に潤いがあるじゃありませんか。
いや、単に煩いとも言いますが。
ていうか、その煩さを提供する中に確実にこーが君も入ってますが。


もとが平坦な感情表現しかしてないよーなイメージがあるので、多分その辺も喜んでいるのだと勝手に想像するのですよ。




今回のホラーちゃんは、「彼女」を愛していたんでしょうかねぇ。
だから最期の時、半身なぞ失っても彼女を支えようとしたのでしょうか。


いや、あの組んだ、赤い光の手と、青い光の手が、どーしてもなんだか同じよーな意思を持っているけれど別の存在なんじゃないかと思えてしまったので。
別になんも根拠はないけどさ。
そいでもって、その「愛」って。
なんかぐにゃぐにゃに歪んで、もう一体なにを欲しかったのか忘れてしまったような彼女の欲望に対するものだったんじゃないかともついでに思いました。
だってそう感じちゃったんだから仕方ねーじゃん。


美しかったなぁ。
(そしてなんか大事っぽいことを触れ忘れような気がする)
(まあいいや。)