『あずみ』

最初の刺客シーンが好きかな。

『あずみ』
監督:北村龍平
出演:上戸彩オダギリジョー


まあ、アイドルでこれだけ見れれば元は取れるんじゃないかしら。


てゆか逆に、剣戟モノは見ませんが、アイドル映画もよほど信用した(変な趣味であると)人のお勧めでも聞き流してあんまり聞きませんが(なにが好き? とノージャンルで聞いて返ってきた場合なんかならさすがにチェックする)、「剣戟+アイドル映画」なら案外とハードルは低いです。
そこら辺は兼ね合い兼ね合い。


猿が良かったです。


ていうか、あのヒトは犬なんですか、彼が動くたんびに犬っぽい音が立つのが不思議でなりませんでしたが。いや別に、映画だからどこでどんな音が出ようと知ったこっちゃないですよ? 確かに。
しかし一体、どのような効果があるのだろーかと。
猿なんだか犬なんだかだけははっきりして欲しかったですが。
変な人間の数が圧倒的に多かった中で、かなり良心的な存在でした。




ところで終盤、大砲で撃とうとしたのは誰ですか。
いくらなんでも「アレ」を撃ったら目的を忘れすぎなのではないかという気がするのですが、いや怒るところは別にいいんですが。
罠張って、相手が来てるところで、、、まあ怒るのはわかりますが!


あずみちゃんが可愛かったです。
序盤で、和やか〜な生活シーンを見せておいて、いきなり二人一組になって。
「殺しあえ」というのは、うーんうーん。
まあ、好みの問題なんでしょうが、どうもこう、能率の意味合いというかなんというかずっと終盤近くになるまで引き摺ってしまいました。


だって、能力差なさそうじゃん?
そいでもって、山下りたらそんな徹底的に常時、戦闘しっぱなしというわけでもないし、旅芸人に会いに行くことも許してくれるし。そもそも5人より10人、数人ずつ組んで行動したほうが良さそうじゃなかったですか。
映画全体で通しで、徹底して、冷たさを描くのならともかく、むしろ結構緩んでいく雰囲気がありましたもので、だったらじー様の、軟化してく様を描くべきだったんじゃないかというか。




原作だと、結構女子どもなんかも殺してたっぽいですし、あずみちゃん。
そーいう展開だとちゃんと有機的に働いたんではないかと思いますが。
彼女(上戸彩ちゃん)見に行って、そんなもの見たいってぇわけでもないでしょう、フツー。てゆか、「あの子」がそれをやるのは違和感がある。


しかし、三人の仲間が亡くなるシーンなんかはかなり良いです。


ラストの子は特に、結局、「役目」なんかじゃなくて、じー様がもっとも大事だったっつーことなんでしょうね。
仲間を行かせるために自分で首を掻っ切る子も。


好いた女の前で殺されてしまう子も(つかここは猿の見せ場だ)(カッコイーぞ!!)、殺した相手が特別っぽかったから、悪くはなかったですね。




でもって、オダギリジョーが変な役で出てるという評判を聞いてました。
白装束で薔薇持ってて、メイクがすごかったです。オトコに迫られてたし。
というわけで、「ヤツを牢から出せ!」というシーンで、あー、とわかってみたりしました、なんて定番な! やっつけな!!
てゆか、なんか設定とかあったんじゃないのかなー?!
えーと感想は。


頑張ったねー、おにーちゃん。


てところで。
いや別に、馬鹿にしてんじゃなくて、見くびってんじゃなくて、ひょっとしたら同監督氏『VERSUS』のナイフ遣い(私はピエロって呼んでますけど)(ファンの間ではナイフと呼ばれてるみたいで)みたいな立場だったんかもしれませんがー。


実際、あっちでは画面に出てくると、もっとも好戦的にも関らずなんか雰囲気が和むんですが、それは多分、ものすごく純粋に戦闘を愛しているよーに見えたからかと思います。
この美女丸(名前)(なにソレー?)氏はー。
はしゃいでると画面に陰惨さが増すんだよ。。。




魅入られるみたいな、迫力めいた部分はどーかわかりませんけどね。少なくとも結構目には悪くはなかったですが、私にはわからん。
でも彼の楽しみ、喜びは、なんちゅーかものすごく「ろくでもなかった」。
無邪気にゃあ、見えないんだよね。
己の中の世界だけで、完結してるよーには見えない。


ある意味で、上のナイフ遣いとは別の意味で、てゆか映画全体じゃなくて、あずみちゃんと美女丸との戦いで映画の大筋が閉まるのには違和感があった。
ちっとも建設的じゃあないんだもの。
「あずみちゃん」とは乖離してたんだよね。
彼女が無視してたとも言うけど。
いっそ殺さんと「きーきー」喚くだけ喚かせてもっともっと、嫌ぁな目に合わせたほうが良かったと思う、じー様苛めてたんだしさ。
途中の一戦ならともかくねー。
なんつか、勿体無いことで。


ああ、あらすじを忘れてました。
「少女刺客モノ」です。いじょ。