『銀河ヒッチハイク・ガイド』

『銀河ヒッチハイク・ガイド』
出演:サム・ロックウェル
出演:ガース・ジェニングス/ズーイー・デシャネル
  /モス・デフマーティン・フリーマン


この後、原作をなんとなく読んでみましたが、だいぶ良い出来だと思います。
はっきり言って、文章をそのまま映像に見てるみたいなちょっと奇妙な印象さえ受けたとゆーかなんというか。でも不思議なことに雰囲気が違う。
テーマというか、そもそもテーマがあるのかどうかもわからないんですが(原作にしろ映画にしろ)、その辺は変わってないよーに見えるんですけど、なんか違う。
しかし、原作ファンとの喧嘩にはならなさそーな気がします。


つーか、なにが「違う」って感じてるのかなぁ?


まあ例を挙げるならば、イルカが歌ってる「知能が低いから憎悪するんだね♪」というフレーズですが、あれ、そもそも小説ではそこまで歌ってなかったっけ? いやでも、原作のイルカにならば馬鹿にされてもしゃあない気がしますよ。
うん確かに、あれでは人間馬鹿に見えるだろう!
映画のイルカにはなー、大きなお世話としか思いませんでしたしねぇ。
(他にもさっくりと心臓を打ち抜かれてた方もいましたな。)




まあなんというか、地球がバイパスの通り道になったんで。
わずか数秒で「撤去」されてしまいましたよというところから始まりますこの話、撤去に来た役人のヴォゴン人は、、、ああ、そこも小説とはちょっと違うなぁ、「怠惰で知能が低くて話にならん、なんの同情も沸いてこない」とのたまってたなー。
最寄りのなんたらって惑星に張り出してあったみたいですよ、張り紙が。
そこにまで辿り着けない、という返答が返ってきましたので上の台詞。


あ、いや、なんかマジにちょっとムカついてきた。
こういう言い方をする人間っているよなぁ、てめぇの都合のくせに。
(相手は映画と小説のキャラクタですがな。)




そいでまあ、たまたま地球に居合わせていた宇宙人が、自分のお気に入りのなんかとっぽい(善良極まりない)友人だけを引き連れて、その地球を撤去しにきた宇宙船にヒッチハイクして(料理人が半ば嫌がらせのよーに乗せてくれる)、しかしてその当の宇宙船の主に見付かって宇宙に放り出され。


そこにたまたま行きあった別の船に拾われました。


雑誌記者の宇宙人の従兄弟と、地球人が仲良くなりかけて別の男に掻っ攫われた女の子が乗ってました。ちなみに後者の掻っ攫った男付きで。
ものすごい確率だって計算してましたが。
まあそんなことはいいです、今更気にされても。
(それがこの話の味ですし。)


あと、マーヴィン可愛かったんですが、小説のほーが良かったかなぁ。人を通すことに喜びを感じてるドアに対して殺意燃やしてんの。てかでかいよこの子(可愛いけど)。


そして宇宙を駆け巡る大冒険に。
なんでかというと主に道に迷うから。
あと、コンピュータがちょっと無謀で物事に拘らないとか、勢いでやってしまうのが数人いるとかの理由があるよーな気もしないでもないです(小説と時系列が違ってて、別のエピソードが挿入されてた関係だと思うけどな)。


彼らは「命とは、人間とはなんぞや」という答えを求めているわけですが。


なんでそれを求めているのかというと、名声と金、という答えが返ってくるわけですよ、雑誌記者の従兄弟の掻っ攫い男は。あ、ちなみに宇宙連邦大統領らしーんですが。
なんのために金が必要で。
大統領になってるのにあとなにか必要なんだろーか、とか考えると意外とその求めているものも哲学的なのかもしれませんが、まあそこもどっちでもいいです。


ああそうだ、余計な節回しが存在しないんですよ、この映画。
行動一個ずつにまあ長々と作者さんの突っ込みというかなんというか、そーいうものが入るですけども、小説は。さすがに画面じゃそれがない。
動機も行動も性格も、ちゃんと再現できているのになんとなく物足りない。




変わりになんとゆーのか、底意地の悪さというか。
漏れなくほとんど全員が性格が良くはないというか、そこまで行かない主人公も善人の域には達しないというか(ヒロインはまあまあ)(でももっともな理由ながら時々切れる)、そこが案外といい感じではありました。
うんいや、これも原作からなんだけどな...orzややこしいな


しかしキャラクタ物として見るとなるとちょっとアクが足りないな。
あ、でも副大統領は可愛くて良かったなー♥


地球がネズミ(モルモットとして自らの行動にて地球人の方向性を暗に指示していた、とゆー)に支配されてたっぽいですけど、まあそんなことは瑣末なので気にしない。