「光の街」

君に僕の名の灯台を贈るよ

「光の街」
 街子マドカビブロス


世にはBL(ボーイズラブ)っちゅうジャンルがありまして、まあ、読書嫌いとかじゃない限りもう目にすることは避けらんないのかな。
別に偏見とか気にせず、読み捨て文化と言っちゃっていいスよ。多分。


それに反感するようなのは、正直、ちょっと仲間内でも困ったちゃんなのでお気になさらず、ありとあらゆる意味で。
描いてあるままをリアリティと呼ぶことを許されないというか。
読み手も書き手もあんまり望んでない。
特異なジャンルっちゃージャンルです。
結構好きだけど。


これら、構成員のコトは少し勿体無いので独立させて。




父親が著名な建築家で、自分もそこを目指すちーせぇ青年と。
街を愛するひょろーんとでかい美青年の話が数話、長身長髪かなり美形のくせに重機とか扱ってやんの(デッサンモデルのバイトもしてやす)。
んであと読みきり2本。


この話は「光の街」というタイトルに惹かれて手に取りました。
よくわかんないんですけど、このフレーズ、一部ひらがなだったりちょっとずつ違うんですけど、時折くるくる頭の中で廻ってるんですわ。
なにか私の過去の記憶なのかな。


で、この系統の本は全く載せてないので、さてどーすんべと思いつつ、表紙画像が出たら書こう! と思って負けました(負けなのか)。




言っとくけど、エロくはねーっすよ、エロくは。
それで紹介したらジャロ(詳細知らね)に訴えられちゃうくらい→
ていうかこの本、どれをとったところで、別に恋愛にしなくてもいいんじゃあないか、、、と思った、ちょっと思った、昔読んだ、教師と生徒の心通じ合う「いい話」がページ繰ったらベッドシーンで、おまっっ??! ページ足りなかったにしろ、全然恋愛要素があったとは気付かなかったぞ、描き方もう少しなんとかならんかったのか、てか、もはやそれはノルマなんだなノルマ?!
というようなマジ切れはありませんでしたものの。
(だってソフトキス止まりだもん、友情でも可じゃんこのくらい。)


でも男じゃないと、ねぇよなこれは、てのは時々思った。




男って感傷的であることを怖れるっちゅーか、「格好を付けたがる」と表現をするとちょっと冷たいんだけど。
弱いコトを許されない部分ってあるじゃんか。


登場人物の悩んでることってのは、そうだなぁ、篤郎のデザインに血が通わない、という将来に通じることはまあともかくとして。
普通ならどうでもいい詰まらない、甘えるな、気持ち悪いで済まさせかねないような悩みなんじゃないのかしら。
(一個余計なのが混じりました、これをわかる人はいるだろう。)
フィクションだと特に、青春の悩み系を嫌う人は多いからなぁ。
まあ、ジュニアジャンル読む時くらいは許容すればいいとは思うけど。




恋愛には見えないんだけど。
今この話を、受け入れるだけの器があるジャンルってあるのかしら他に。
建築科の派手でもなんでもない学生が、自分の好きな人のために灯台のデザインをしてプレゼントする話とか、側にいるよって言ったりとか。
大きな人だから今まで支えるばかりだったのかもしれないけど、ちーさぃ自分が支えるからねというような意味合いの言葉とか。流れとか。
そういう、人に与えるばかりだったのを痛ましく思う血のつながらない妹たちとか。


街並みを見て、そこに詰まってるものをゆっくり空想したり。
その感情を誰かと共有したり。


絵を描く少年は友人のピアノを、ピアノを弾く少年は友人の絵を。
お互い、それぞれ美しいものと思って。
自分のは、そこから生まれただけのものなのだと思い悩んだり。


目を合わせない都会の人間に苛立ったり。逆に強く影響を与えすぎて疲れたり。




どれもとても詰まらない、大したことのない。どうでもいい話だろう。
リアリティは、建築科くらいにしかなくて、あとはほとんど描写らしいものもない、苦悩も、多分その「環境」であることのクリエイターならではのものとも限らない。


私はなんとなく好きだと思ったが。君に強制はしないよ。