「彩雲国物語」想いは遙かなる茶都へ

≪密林.com≫

超今更ですがこの国はそもそも、八の色に別れた家が収めてるらしーです。
えーと、王が紫。
文官寄りなのが紅と藍、で王より強く、どうも数が多い。
黄と碧も確か官人にいたなー。白と黒が武官の長(二軍構成)。
で、最後の一個が茶。


それぞれの地方を持ってるんだったかなぁ? でまあ、官人に進出するのが遅れてしまった≪茶家≫はコンプレックスの塊になっていたところ。
掃き溜めに鶴みたいにして、国の三官(内実省略! あっちこっちでラインナップ違うからいちいち覚えてられるかっ。)まで昇りつめちゃったお人が出たもので、すっかり勘違いしてやりたい放題。


「統治能力がない」のに州の内政に口出しし放題。
能力あったらいいんだな、うん。その辺意外と中国ナイズよね。
(中国ってなんか君主制前提だからなぁ、力ないと民衆に取り替えられるんだけどな、強政権が出てくるのはその裏返し。)




というのが一巻から続いた裏事情でした。


まあ正直、構造は悪くないよね。


で、その茶州に主人公・秀麗と、同僚の少年・影月クンが正規の州の長官サンとして行くことになったというのがこの巻。なんつーか役所に着くまでに2冊だ。;
これ、王サマが直々に下した人事だし。
この人らが着くと今まで適わなかった護衛なんぞも味方についてしまう。
やりたい放題が非常にしにくくなる。
とのことで、阻止したいのだそうです。


またも物量作戦で、どっかどっかと盗賊山賊やらが来るのを、国一番強い文官(正規試験通りましたー)と、秀麗の家人・静蘭が千切っては投げ、千切っては投げで。
すでに敵サンの手の廻った関所破り。
何故きちんと手続きするかなぁ。w
(今まで完全無反応通してきた小ネタをわざわざ書くのは、やっぱり愛の違いなのかしら、国一強い文官さんへの。)


ところがどっかの宿場で踏み込まれてしまいまして、一行が分断。
もう一人加わっていた少女と、秀麗ちゃんが間違われて、影月クンと共に連れ去られ。
武力組も引き剥がされて囚われてしまいましたとさ。
秀麗ちゃんは一人きり。




影月くん組はそのまま州に運ばれて(細々した理由で直接は手が出せない)。
武力組は超とっとと牢破り。。。
いいけど、なんか手近な面子でそこまで強いのが揃ってるって都合よいぞ。まあいいんだ、私が無粋なんだろう。


この辺から、「敵」の茶家の面子がちらほらと顔見せ。
まっとーな子とか、がさつな兄ちゃんとか、女の扱いが上手いっていう次男とか(名前ばっかりでなかなか出てこないけどね)。




で、秀麗ちゃんは、とんとんと商業ギルドみたいなところの門を叩き。
そこで茶州に行くまでのカモフラージュになりそうな商隊へ雇ってくれるように頼みます。
変な長髪だらだらにーちゃんのお守りをさせられることとなってしまいましたが、そこはそれ。我慢強い子なので頑張ってたらなんか懐かれました。
迷惑ー。
しかも優しい子なので絆されてるなぁ。
でも王サマとは似てないよ秀麗。状況似てるけど、騙されちゃ駄目だ。;




つーかそろそろ、どうも、「じゃじゃじゃじゃーん!」ていう人物の裏事情ご披露が滑るよーになってきたような気がします、そろそろパターンも限界じゃないかなぁ。
まあ、水戸黄門サマの印籠みたいなものだけど。
逆に全体が複雑になってきたから、他との摺り合わせが悪い。
もともと歯牙に掛けてなかった人間なので、そこに拘るのもなんなのですが、隠してるつもりだったのか?! てのはあまりにもあまりじゃないかなー。
私だけじゃなくて、結構そう思ってた人いると思う。




全員がめいっぱい駆けずり回って、ぎりぎりの状態というのはなかなか面白かったです(地方側勢力の呼応は次の巻、これはいまいちだったけど、まあ可)。
これで「敵」の輪郭がもうちょっとなぁ、と思ったのは、むしろ勿体無いという意味合いですね。
こんなに商業組合がきちんと機能してたら、特に腐敗がどうとか心配するほどでもないと思うんだよな、組織の雰囲気は出てるんだけどさ。。。
じゃあ官人なのかっていうと、官人も押さえがあるし。
そんなに物量作戦な妨害工作するだけの財をどこで稼ぐんだー? と思ってしまうんだよねぇ、まあ無粋なんだけど、地味なところは書けてるからなぁ。
(作者さん、組織系の実地知識ありますね、下っ端役人さん辺りかな? 母が元役人なので私も雰囲気知ってます。)


恋愛面については、私が口出しいくないorz
けど、ちょっとその、辛かったです。。。
意味わかんねーっっっ。