『もののけ姫』

もののけ姫 [DVD]

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≪密林.com≫

「生きよ、そなたは美しい」
ちゅーセリフ、予告で見てて結構好きだったんですが、、、なんで自分が瀕死の時に助けてくれた相手に出てくるのがその言葉なんだろう、寝言なのか?
(嫌味じゃないスよ、という注釈入れなきゃならん時点で私ってヤツぁorz)




村を襲ってきたイノシシを退治したら、腕ににょろにょろと呪いを受けちゃったー、のですが理不尽なのは相手が神さまだからしょうがないね。
そもそもなんか村が仕掛けたのが最初だっけ?
まあ、そんなことよりも、宮崎映画でちゃきちゃき甲斐性のある男の子が主人公って珍しー! とか思ってたのであんま冒頭の記憶が残ってません。


ヒロインのほうがもっと強かったので、そのせいですかね。うんうん。
はっきり言って、弱いと心通わせる以前に死ぬしな。


そして、呪いを解いてくれる相手を探す、というより村を呪いに巻き込まないために生地を離れることとなりました。恩知らずー。
まあ、仕方がない。
古代社会ってのは、弱者とかはみ出し者をがっつがっつと弾き出すことで成り立っているものですし。
その代わり、その土地を離れればてめぇの力で生きていけるんだけどね。




んで、そのアシタカは。
女性を頂点に抱いた鍛冶製鉄集団に拾われることになり、そこを定期的に襲ってくる、一つは政治がらみ、一つは精霊や神に属する相手らとの争いに巻き込まれていくことになります。


簡単に噛み砕くと、武器を造るのに欠かせず。
鉄を精製するためには常に大量の燃料を(木ですね。)必要とするという集団の特殊性のためでしょう。
だいたい製鉄集団って、技術が門外不出なところあったしな。


で、その精霊側の大オオカミが育てていた人間の少女がサン。
言葉がなんとか通じるくらいで、森を平らげる人を憎むサンと、アシタカの出会いでなにかが動く。
なんていうか、、、この映画の彼らの「自然破壊」ってのはほとんど、奢ってるわけなんぞではなくぎりぎりの生活、生きるための行為なんだよな。
そしてアシタカは、それこそ見返りすらなく人の側の事情を全て被って、それでも生きるために手を汚す人間の力添えをしようとするような哀れな存在。彼らに力を貸し、間違っているかもしれなくても共に闘う。
それこそ、精霊側の少女に入れ込むくらいの柔らかい心を持っていてもね。
誇り高く美しいけれど、逆にそれ以外にはなんもないんだ。




サンの養い親の、大オオカミの首が切られて、なんだか得体の知れない妙な「でいたらぼっち」になってしまう。
それが辺りを破壊し尽くし、周囲の生命の力を吸い尽くし。
退治されて、辺り一帯に力が戻って。
で映画は終わり。


外部からの強力な力で事態が収束して、なんの解決もない。
デウス・エクス・マキナ≫というそうな、機械仕掛けの神。


しかしまあ、いいんでないのかな、案外。この曖昧なテーマと。
アシタカと、人間でありながら神に与するサンという奇妙な少女の物語りの結末としては。結末をつけられてもピンとこないよ。
つーかアシタカは好きだけれど、一緒に暮らせない、てサンの、少女の言葉だけでも別に私は良かった。
けど、さすがに一篇の映画としちゃあ不味いよね、エンターテイメントだし。


そして神は人に殺され続け、多分今の世になるんでしょーね。