#2「惨劇の森」

要するに、女の人は、特に上流階級の女の人はですね。
自分の所属する人間に逆らっては生きてけなかったわけですワ。
それこそ売春婦くらいしかないんじゃないかなー。


男の人はまだしも下働けたわけだけども。
そういう意味では今は女でもなんとか生きてけるわけで、幸せっちゃあ幸せなんだよね。ごめん、いつの人みたいな思考回路で。
言うこときかなきゃ、それだけでも精神病院に入れられてしまうんだよね。
しかも周囲には秘密だったりするし。


そーいうことがさして珍しくもないっつー状況の上に、ドイル青年の絶対的な同情は寄せられていたわけです。
とはいえ、あの叔父は、どっちゃかというと変人の括りだったけども言動っつーか趣味が主に妙なだけで(そして自分の趣味に金が掛かるという事情が実際にあったわけだけれども)(別に借金の類はなさそうだったし)、わりと中身は常識的だったというのが逆に目晦ましになっちまってましたな。




今回ドイル君は、昔の友人に呼ばれて、そこの子飼いの医師になっていたわけなのですが。なんて言ったらいいのか。
ものごっつくろくな友人ばっかでないか、ドイル君。。。
(学生当時は真っ当な青年らだよなあ。;)


彼は周囲の貧しい労働者、農夫らから「元気薬」とかやらで金を一文残らず搾り取るような超悪徳医者になっていましたとさ。
食事よりも薬を優先さすって、死ぬしフツー。
お金は微妙に持ってましたが、どうしても頭を過ぎって離れないのは“小金持ち”つーか小銭持ち。ドイル君を呼んだのは己のプライドを維持るためなんじゃあねーのかなぁ。あれじゃ名声もなにもあったもんじゃないし。


ドイル君が持ち前の義侠心で人を助けてしまうのにムカついて。
金を盗んだと濡れ衣を着せようとするも、その時に訪れていたベル先生にがっつりとバレて超脅されてました。いやー、悪徳医師っぷりとかは全然止めようとかはしてないんだけどね(ベル先生らしいね)。
しかしまあ、そうなってなくても、周囲はほとんど違うだろ、とか思ってそうだなぁ。本気で評判悪いしな。




基本的にベル先生は、目に軽い病気を抱えた女性の廻りに「自転車に乗った男が付きまとう」という状況をドイル君の手紙で知って、そのためにのこのことやって来てたんですが。
この辺、ノベライズの小説ではちょっと距離があってね(>「患者の森」)。
ドイル君は報告はしていたもののなんで来たんだろう? という態度で、ベル先生のほーにはドイル君への気遣いがわりと細々見られたもので報われないなぁ、とかこっそり思ってたんですが。


「両親はいないけど親のように思う人は」(byドイル君)


報われすぎ。
超絶にあんまりにも報われすぎ、そっか、映像版では仲いいんだー、とか思いました。二時間もモノローグで薄暗くやられても困るけどな。
いや題材暗いのだからこそっつーかな。




さてまあ展開としては。
女性の廻りにうろついてんのが何者かとか(妄想でないことはドイル君が見て確かめた)(ら、ベル先生に怒られた、それでは相手に見付かるとか)。
彼女の周囲で起こった不可解な事件、つーか両親の殺された事件とか。
状況が緊迫している中で起こる、彼女の婚約者の死とか。


1話でもそーでしたが、一つの殺人事件をとことん追いかけるという形式になっていないのが定番らしく(3話は共通点のない連続殺人事件)、さて被害者がなにをしたのかというと。
彼女の叔父夫妻と仲がいいのを利用して結婚を迫ってたくらい。
ちょっと嫌味だが、それで殺されては適わん(ドイル君を恋敵と見做しての少々の無礼な態度ってんならそりゃむしろ無理もない)。
(しかし両親が死んで以降、彼女は精神的に実際に不安定なので断ったら一体どうされるかがわからんわけですよ)(病院入れられたら出られない。)


しかしこの話には全てに決着が付きます。そこが1話と違う。


けれどまた、罪が直接裁かれることはない。
てゆか「罪」って一体なんだ、この場合の。この事件群の。
ベル先生の最後のアレは、謎解きは、まあ要するにドイル君への親心というような感じで一つ。


私はでもやっぱり、それでも女であるもので。
そしてどちらかというと縛られるのが苦痛な性質なもので。
同情が先に立ってしまうのです、断罪は出来ない気がする。いやでもドイル君、その子は止めておこうやっぱりなんか危険だから(ベル先生と同意見さっ)。