『シックス・センス』

気もするけどもサドの可能性も。

『シックス・センス』
監督:M.ナイト・シャマラン
出演:ブルース・ウィリスハーレイ・ジョエル・オスメント


シャマランさんって名前、響きが可愛いですよねー。
てゆか、ブラッカイマーさんと混ざってしまって、なんでやねん、とか突っ込まれてしまいそーなんですけれども、どっちもろくに知らんってことで答えにして下さい。
(「アラビアのテレサ」と「アラビアのロレンス」がごっちゃになった時はもう、息が苦しかったっす...lllorz)(なんでやねん。)


このシャマランさんは監督さんで、毎回おっきなどんでん返しを仕掛けて下さるんだそーですよ、あと、なんでか人情ドラマっぽいところもあったりして。
高校生がそのまんま大人になっちゃったみたいな方たちが、一生懸命になって貶している微笑ましいとは言いがたい画面を見たせーでちょっと機嫌が悪いです(いくらなんでも感情ただ漏れすぎやしませんか)。


まー、なにを言いたいのかは正直わかるんですけどね。


この方、本気で人情ドラマ描こうとしてるわけじゃないんじゃないかしら。
なんていうのか、どんでん返しのための人情というか、荒唐無稽は荒唐無稽で映画の一つの方向性としてアリだと思うんですが、コレ実は「どんでん返し」とは相性が悪いんですよ。なにが起こっても鼻で笑われちゃうというか。
チープなご都合主義強引展開ならいいんですが、一気に認識が引っ繰り返される時に観客が突き放して見ていたら驚きが起こりにくいというかネ。




で、多分、その兼ね合いがよろしいんじゃないかなーと。なんとなく。
己が語りたいことを素直にストレートに表現出来るよーな人って、そもそも物なんてあんまり作ってなさそーじゃないですか(ちょっと待て)。
特にヲタなんてぇ人種は、自分の好みど真ん中のこと以外のほうがどーも面白く表現出来る傾向があったりなかったり、別にシャマランさんがヲタって思ってたわけじゃなかったけど、今なんとなく近いかもーとか思ってしまいましたごめんなさい。


てゆか、己の好きなものって、ちょっと余計に押し付けたりしちゃいかねないんですよね。相手がちょーどいいと思う容量を超えて。
見えそうで見えないラインがちょうどいいんですよ!
(ソレは話題の対象物が違います。)


んでも、驚かせたいための人情ドラマ! を変に引っ張ったりするよーなことは、まあまずないだろーと思いますもので。
今後も多分、その面でイラつかされたりすることはなかろーなと。
だいたい、そんな迂遠な道を選択できる時点で、結構建設的なバランス感覚のある人なんではないかと思うわけなんですが、これは全て私の想像です(我ながら、妄想のレベルは越えてるとは思うんですがその程度)。




幽霊の見える男の子と。


彼が助けを求めた、ちょいと訳有りのカウンセラーのお話しです。
って、もうあらすじ終わっちゃったよ?!


別にふざけてるわけではなくて、まあ、要するに男の子はそのことを周囲から問題視されているわけなんですよ、だって他の人には見えないしー。
でも彼には当り前当然のことなので、その調整に困るんですよ。
しかも画面に出てくる幽霊たちがまた怖いのなんのって。


なんつーのかなぁ、「コトバの通じなさ」が見ただけでわかるというか。
突き放されすような冷たさがあるというか。
でも、欧米っぽい、理屈のそこにないホラーではまた微妙になくて、根はあるんですよ、元が人間だったことは微妙にわかる。それなのに意思は違う。
「己」の感情や願望しか頭にないというか、男の子に縋ることしか考えてないというか、パニックに襲われた生身の人間というのを想定すると少し近いかもしれません。


ソレが、見ただけでわかる。;


造型や画面に関しては、あまり文句をつける人はいないんじゃないでしょうか。
やっぱり、すごくセンスが良い。




そんな、ある意味でリアリティのある「世界」の中に男の子はいる。
けれどそれは、本来同じ世界を共有しているはずの映画の登場人物たちには感じられない、時々異様な行動を取る、けれど普段は思慮深いよーにしか見えない彼の姿しか知らないんですよ(フツーの我が侭や癇癪には見えないわけです)。


彼が助けて欲しい、貴方しかいないのだ、と告げられたカウンセラーは、、、まあ。


それがどんでん返しの内容でした。
なんで自分なんだろうと、だいぶ迷ったりするんですけれどね。
そんな「仕掛け」もそれを効果的に働かせるための人情なんてのも含めて、じたばたとでもなんでも曲がりなりにも前向いて生きてくしかねぇなぁ、と。
そんなふうに感じることにします。


些かの趣味の悪さ(意地悪いよ、やっぱり)も含めて。
なんつーかやっぱり優しい人なんではないのかと思うので、頭が良くて、いろんな裏の面が見えて、それでもなんとなーく、いろんなことが諦められないよーな。