「頑張って」。

昔、学校を駆けずり回っていたらよく。
「頑張って」と言われた。


この言葉の意味が正直わからなくて、一度立ち止まって聞き返したことがある。なにを? と聞くと、さあなんだろう、と返ってきたのではなかったか。
この言葉を、うつ病の人に向けてはいけないというのは、いつ言われたんだったか。そもそもいつくらいに言われ始めたんだろうか。


この言葉を、うつ病の人に向けて使ったのは25歳の時だったと思う。


それはネット越しのみの付き合いで、とあるチャットに出入りしている同士、私ともう一人の男が大概長居している上にやたら存在感が強く、住んでいるとまで言われたよーなそんな状態で、まあいろんなことがあったんだが。
あまり口を開かない女の子が一人いた。


彼女と話すことになったのは結局。
最前のもう一人の男に頼まれたからなのだと思う。


「助けてあげて欲しい」というよーな内容だった。
確かに私は、人の言葉を引き出すのが得意で、噛み付いてきた相手を宥め愚痴を聞き、深刻な相談も受けるよーなことをしていたけれど、けれどそれは相手に一定の余裕があるからこそ出来ていたことでしかなく。
そして、相手には、そーした私の「蓄積」への信頼があった。
当時の私のことを褒めるとしたら、その辺の兼ね合いをきちんと自覚していたことだろう、そこ以外の場所でそんな「力」や「やり方」が通用するなどとはほとんど一瞬も思わなかったことくらいは誇りにしてもいいかもしれない。


そーして、それが半ば茶番であることを薄っすらわかっていながら、それでもそれが「有効」に働くのならと道化を演じていたこともだろうか。
そーいうお膳立てがあると安心する人の気持ちはわかるのだ。




けれど「彼女」は医者にうつ病と診察された本当の病人。
学校にも行けず、チャットに出てくるわけでもなく、それでも男を慕っていたのか時々顔を出してすぐ引っ込むというようなことを繰り返していた。
同情を引くことなぞ、なによりも望んでいなかったろう彼女から、その状況を聞きだしてそれを信じ、助けを求めた男は本当に偉いと思うが、ちょっと待て。。。
最後のが私というのは、洒落にはならなかった。


当然のことながら、無理だと逃げ回った。
そもそも彼女はちゃんと医者に行っている、それで好転はしなかったのだというが、それを素人の私がどーこーしていいとは到底思えない。
それに、、、そろそろ時効だろうか、私は彼女が苦手だった。


私には苦手な相手はほとんど当時いなかった、なんていうのが誰にもなにかを期待するよーなつもりがまるでなく、そーしてその場所ではなにをしても許されるところがあり。
どちらかというとそーいう役回りだった。
あまり長いものでもないだろーとは思っていたが。
まだ膠着の段階には至っていなかったよーにも思う。




なんで折れたのかというと、よく覚えていない。;
まあ多分、当時19歳の男のことをなんだかんだと可愛いと思っていて、そのせいで押し負けてしまったんじゃないかと思う。私も女だ(ちょっと生臭い)。
悪化させなきゃいいんだろと、むしろ、人の精神をどうこうする可能性がどーとかいうのがなんだか自惚れなよーな気もしないでもなかったし。
いやもう、面倒臭い。
(ぶっちゃけ、やっちまったもんは仕方がない...orz)


それがある夜中のことで、一人の人を交えて話をした。
その男はいなかったが、見ていた可能性にはこの間思い至ったが、まあやっぱりどうでもいい、誰が見てても不思議はなかった。


なんで私がその子のことを苦手だったかというと、私に対する不信があったからなんじゃあないかと思う。
そーいうことは、そこに限らずよくあった。


「貴方に思い通りにされたくない」
というようなそんなよーな、そしてそれに対する答えは、「あんまり興味がない」というふうにしか言いようがない。
いや、人をいじくるのは好きだったが、それは、、、うーんなんていうのかなぁ、如何わしい話だがそう望んでない人間を弄るのは好きではないというか。


とにかく、彼女が私のことをどう思っていようがなんだろうが。
私は彼女の変化なぞ特に望んでいなかったのだとしか言いようがない。


続く。