「ローマ人の物語(1」―ローマは一日にして成らず、上

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上) (新潮文庫)

≪密林.com≫

塩野さんの名前を入れようかと思いましたが。
まあ、タイトルも同じくらい有名だから別にいいか。


この本に対して、「史実と違う」という非難の声があるそーなのですが、、、なんというかえーと、歴史本を読んだことがほとんどない人が手に取ったという点が素晴らしいと思いますと感じてみたりしました。
うんまあ、嫌味に聞こえると思うんですが。


ど、どこが珍しいんだろう...lllorz


というのがぶっちゃけ本音ですかも。
いいぢゃん、孔子さんがキリスト教信者だって教える大学教授とか(in中国)実在してんだしさー、うんいや、魯迅さんの本で見たエピソードなんですが。「どこにそんな証拠があるんですか!」というふうに言い返した生徒と一緒に、土に埋めたがっていたよーな気がします、魯迅さんてばー。あ、手伝いますー。
(しかし、この話は全くこの本と関係ない。)
まあ、孔子さんが死んだより数百年あとにキリストさんが生まれてるから、仕方がないですよね。うん。まあキリストさんも実在してないって説が(ry




あ、私はヌマさん萌えで。


ところでこの本ではローマがさくっと誕生しているんですが、いや、「一日にして成らず」のサブタイトル通り、かなり小さいのですが。
だって、初代の成長までが神話で。
初代の業績がすでに史実だっていうんだから、想像の余地ってほとんどないじゃん。。。


どっからどこまでが神話ー、実は本当だったーっ?! みたいなゴタゴタのある国のほうが多いと思うんですけども、神話時代の次に伝説時代なんてのが挟まってたりしてね。
(日本もそーよね、新しい国なのになぁ。)
(紀元後を最近と表現する癖は改めましょうよ。;)


でもこのローマは、初代・ロムルスさんが狼に育てられただけで、あとはもうフツーの人です、なんか神さまの血が流れてたかもしんないけど、そんな細かいことは気にすんな。ちゃんと政治してたらそれがなによりだよ。
つーか、ローマでこの人なんかも神格化はされてるんだけどさ。
「神」そのものの地位がわりとざっくばらんなもんで、なんつーのかホントにわりとどうでもいい雰囲気だったりします。




でもって、その政教分離のスタイルは(わざと別けたわけではない)、その次の代の上記・ヌマさんの時代に基盤があったようです。
えーとですね。
ロムルスさんは、結構武人ぽい感じの人で。
武力で初期の土地を固めました(極端に簡略化していきます)。


それなのでー、次の代でちょっとアレコレ割れちゃったんですよね。
てゆか、先代の子をあんまり重視してないってか、軽視している節があるのは(この時に限らない)、まだまだ国の地盤がしっかりしてないからでしょうね。
わりと強引に作られた国なので、統治能力で納得させつつ、という感じに始まったという印象があります。




で、表われた次の代のヌマさんてのは、ロムルスさんが死んだあと。
一応ローマ土着の民と、ローマが吸収した周辺地域の勢力が二分し牽制しあう中で、ちょっと違うところ(ローマが吸収した、という元の土地に残った人です)(すごく人望があり、年齢もかなり高めでした)から来た人なんですが。
何度も断って断って、それでも頼まれてー。


白い僧衣を着て現れたそうです。


なんかいいなぁ♥
別に神官さんではなかったみたいなんですけどね、政治に神を持ち込むことはなかったみたいですし(ただ森に篭もる癖があったので「神託を受けてるんだ!」と周囲は思っていたっぽいです)(でもその習慣を次代に続けたりはしてない)。
不安定な時期でもありましたが、彼のいる間は、なんの戦いもなかったようです。


そして彼の残した神との関りは、、、多分次巻以降で触れられるチャンスがあると思うんですが(関係ないこと書くから;)。
彼からあと、数代と。




本の後半は、周辺ギリシャの隆盛と、アテネとスパルタの二大国家に集約されていく段階がわりとさらっと触れられています(ローマ自体とは時代が前後してますが)。
あ、あとペルシアとの争いも。


小説のつもりで借りるのは、多分この巻は向かないのと違うかなぁ?
ヨーロッパの知識は不可欠でもありませんが(私はない)、最低政治制度なんかに対する興味がないと辛いかもしれませんねー。