「緋色の研究」コナン・ドイル

≪密林.com≫

まあ有名、超有名な名探偵さんだすな。
ちょい性格に難があって、違法ではないとはいえ麻薬まで嗜んでいるわ軽い引きこもり、つーかバイオリンは上手いんだか下手だかはっきりさせて下さい。;
(ヘビー・スモーカーくらいこの際許すー。)


という偏屈ぎみなホームズさんと、わりと社交的っつーか、あんたもう少し友人選べよワトソンさん、てか奥さんや仕事よりか若干ホームズのが優先度が高かったんじゃないかって疑いが掛かってるぞ!


という話です、シリーズです(断じて違います)。
まあ、コナン・ドイルっちゅーおヒトは、他に冒険小説みたいなものも書いておられて、なんていうのか少し形は違うけれど、この探偵小説群もその仲間。
ホームズも冒険者として書かれてるのではないかと夢想していた時期があります。
逆境でなら、自分の判断でのみ采配を振るう男はヒーローでしょう。
特殊ではあるけれど“そうでなくてはならない”人格として設定されているものだと思っていたものでした。
なんでそんなややこしいことを考えたのかはまあ、置いておくとして。。。


ワトソン(語り部)=コナン・ドイル、という図式で、ホームズはある種彼の理想像。
みたいな感じでイメージしていたんですわ、二度ほど読んでたしさ。
で、今回読んでみて、がらんがらんとそれが崩れました。
ワトソンはホームズを胡散臭く思ってます、頭が回って回って回りすぎているのは、もうすでに認めたあとなんだけれども胡散臭いものは胡散臭い!
正しいです、実際そう思います。
ていうかホームズ、自分のことばっかり主張しすぎです。


んが、この尊大に見える男、褒めると照れました。
特におべんちゃら言ったわけでもなく、まともに普通に扱っただけです、つーか、手柄掻っ攫われるのはいくらホームズでも可哀想です、それはワトソンさんに賛成します。
そうしたら彼も、なんか普通に接してくるのでした。
ていうか中間がないのか、結構直截的に好意らしきものを示してきます。


ただの器用貧乏かぁぁっ、シャーロック・ホームズ!!?


という話、ではないのかとこれは真面目に思いました。
しかしワトソンさん、頭脳を褒めた相手のことを、「美貌を褒められた少女」に喩えるのはいくらなんでもいかがなものかと。。。
落差を出したかったんでしょうが。
ちょっと落差ありすぎて頭からなんかはみ出たから!




考えてみれば名探偵の評価を受けたのもむしろワトソンさんが書いてくれた記録のおかげ、この時点では警察に協力はするものの研究マニアっていうか犯罪オタク扱い(酷。)に過ぎなかったんだものねぇ。
それはちょっとばかり余所に攻撃的になっちゃっても仕方がないっちゃあないよ、うん。
ていうか、その状況も半分くらい口下手のせいだと思うけど。
有能だから切り捨てられることはないにしろ〜。
で、まあ、多分ホームズにはモデルがいるでしょう、こんな人格が理想なのって嫌だ!




なんというか、粗筋語る隙間もありませんが、事件の筋としては単純ですね。


とある羽振りのよい外国人男性が、血塗れで殺されます、現場には指輪、そして謎めいた血文字のメッセージが。
恋愛絡みで特殊な宗教絡みで復讐。
後半は完全に犯人側視点、面白い内容ではありましたがー。
つーか、他の話はともかくも、こればっかりは「をい待てよ!」と非難してもいいかもしれない、すごい滅茶苦茶単純な筋じゃんか!!
結論、外国人だったからわかんなかった(被/加害者共に)。
そうでなきゃ、初動捜査で普通の段階踏んで解決しとるわ。;


いや、なんか面白くはありましたよ、て初作なんだしこれでいいじゃん。