#6 キヌコ(後編)

ああ、近親レイプはテレビ向けになかったことにされたのかな、と思っていたんですが、考えてみれば深夜帯だしそんなことは関係ないですね、殺人の“動機”になっているわけですし、けれどやっぱり憎しみまではわかるものの、彼女の自己顕示欲のようなものがよくわからない。なんで見せびらかそうとするんだろう、相手が目が見えるとか見えないとか以前に、なんで自分がやったことを知らしめたいと思うんだろう。
いや、そういう類の犯罪者がいないとは言わないんですが、個人的な憎悪(というか、憎しみまではもっとも、父親は殺されても自業自得だ正直)までは理解が及ぶのに、その後が快楽殺人なのか、それともそうでないのかがわからない。
ものすごく遠まわしの自殺願望なのかなぁ、とは思わないでもないんですが。
とはいえ、なんか、リアリティがないとかそういうことは思わないんですよね、なんとなく、こういう人間はありうるような気もする。ただ感情の流れが理解が出来ない。


絹子の父親の記憶の中に「いた」少年が行方不明になっていたことが判明。
他にも、父親が彼女の交友関係を調べたメモが見付かり、そのうちの二人までが消息不明になっており。最後の一人が彼女が姿を現してから数日後に自動車事故で死亡。
彼の脳を捜査に提供(殺されたかどうかわからない人だしね)してくれるように頼みに行くと、彼が全盲だったことがわかり(声は再生されません)。絹子の犯罪を裁くことは出来ないのか、と諦めかけた時に青木さんが「見るべき」もう一つの脳に気付いた、という話。これ、原作ではかなり重苦しい行き詰まり感があったのですが、その辺はこちらではわりとあっさりしてましたね、一回でも読むと覚えるので(ナイスアイディアw)、そのほうが正しいかも、という気がします。うんまあ、いろいろ救いがあって良かった。