『あらしのよるに』

『あらしのよるに』
監督:杉井ギサブロー
出演:中村獅童成宮寛貴
  /竹内力山寺宏一


とある筋で無茶苦茶有名だったりします。
いや、言うもはばかる如何わしい層(言うな)。
んでもって、ウチのおとーさんに「あ、あれ面白かった」とさくっと言われて落ち込んでみました...orz


見終わっての個人的な軍配としては、そんなじゃないよなぁ、というか。
少なくとも原作者さんこれ違うよね。や、私絵本のほうは拝見したことないんですよ、見てもいいかなー、と今思ってますけども。ただまあ、監督(&脚本に連名)は明らかに確実に確信犯だよね、とか思いました。
レンタルDVDの巻末に、購入特典に「アテレコ用の台詞集&アテレコシーンの映像」のCMってまたなんかぎりぎりバレないかもしんないけど、なにが楽しいの? とか思わせる内容のものを用意したりして、原作者さんに悪いとか思わないの?! というか。
いや、原作者さんこれ絶対可愛い人だぜー。
私なら嫌われたくない(なあおい)。


うんまあ、余所事でエキサイトしすぎましたが、良い内容でした。
どっからオオカミとヤギが友情を築いていくのか、どんな飛び道具が出てくるのかと思ってましたら直球でした。一晩気付かず、気付いて驚いたけど「まあいっかー」みたいな。その後、仲間に隠れて逢瀬を(あれ?)重ね。
仲間にバレて、それぞれが相手から情報を引き出すように促され。
そのまま手に手を取って出奔(だから)。




メイ、女の子なの?


というこれはそれなりに、そーいうニュアンスじゃない(ぎりぎり)というところでの意見が出ていたっぽいですが。別にヤギとオオカミの時点で性別なんて良いじゃない。


ところで私が一番気になったのは、言葉通じるの? だった時点でお前も大概阿呆じゃねぇの、という結論を出して下さっても一向に構いません。でもさー、言葉が通じるとなるといろいろ食べる/食べられる仲としては複雑じゃないかしら。
まあ、サバンナの狩り風景とか見てると、それなりに狩るほーと狩られるほーに意思の疎通めいたものが感じられることもありますが。
(敵の射程範囲を察知してるというか、ぎりぎりになるまで逃げない。)


どうも、周囲にいるのは基本的にヤギのみ。
ウサギや鳥辺りは見掛けられましたが、オオカミにとってそれじゃあちょっと物足りないよなぁ、群れで狩りをする動物でもありますし。


上のサバンナのよーな緊張関係(そもそも追われてからでも逃げられる確率がだいたい半々、それ以上の、罠を掛けないと駄目な場合も多々)があるわけでもなく、ヤギの場合は追われたらほぼ諦めるものらしいので、そもそもなんでオオカミが群れで行動するのかはよくわかんないのですが(細かいよ!)。
鹿とかが相手なら理に適ってるんだけどなー。
まー、テリトリーの問題なんかで群れのほうが効率は良いですね。


あーでも、メイのお母さんみたいなすごいのがたまにいるのかも。
(一匹で群れに立ち向かった挙げ句にリーダーの片耳ぶっちぎった。w)


まあ、なんというか。
出会って、しばらく隠れて会って、バレて、逃げ出して。
帰るところがなくて天を突くような高い山を越えようと誓い。
んでオオカミには追われ(メイのお母さんに片耳千切られてるからちょっとヤギに関しては恨みが深い)(←メイの母親って気付いてるわけじゃないんだけどね)。
雪崩れに巻き込まれー、て。


その後の記憶喪失ネタが監督だったような気がします白状しやがれ。。。


真面目な話、あらぬ方面でのベタ定番なので。
よほどバレたくないんだと思います、己に後ろ暗いところがあるか、多少は詳しくないとそこは知らないと思います(しかしその詳しい方々も、別のヲタ趣味がある可能性高し)。




いやでも、なんかちょっと良い話でした。


オオカミのカブが群れの中でのはぐれ者。
ヤギのメイが、これは、お母さんを亡くしたからなのかなぁ、仲間や祖母に思われながらどこか遠くを見詰めているように描かれていたからかもしれません。
お互いがその世界にしっくりいってない時に出会った、お互いに変わり者の気の弱い(体は今は強いみたいだけど押しが弱いよw)オオカミと、そもそもなんににもほとんど怯えようとしないヤギ。


オオカミでさえ尻込みをする山を越えようとあっさり言ってしまうメイ。
メイに醜いものを見せないようにと、妙にじたばたするカブとか。


細かいことはともかくとして、本当に欠けあった自分を埋めるための存在だったんじゃないのかなぁ、とそこは理解することが出来たんですよ。