「灰よ、竜に告げよ―されど罪人は竜と踊る２」

灰よ、竜に告げよ―されど罪人は竜と踊る〈2〉 (角川スニーカー文庫)

≪密林．ｃｏｍ≫

レメディウスの辿った運命を、陳腐とか無意味な悪趣味とか言われたらちょぴっとムカつくわけですよ。
いや、私も大概に大人気ないよねぇ。うん。


どぉこがありえない展開だよっ？！
（いや、表現変わってるから。かなーり変わってる。）


だって、天才少年が誘拐されてーだ、それが反政府レジスタンスだったりしてだ、その人らと仲良くなってな、仄かに心通わせる少女が出来たと思ったら。
政府系の弾圧を受けた。
少女はレイプをされて、天才少年――レメディウスは彼女と二人、砂漠に放り出され、少女は死に、少年は「ある決意」をする。


まだ、少年が生き延びる、そこをご都合主義と言うなら筋は通る。
むしろ、現実のほーがよっぽど救いないやん。
その場で殺されるのが普通本来のオチだろ、少女だけが生き延びるということもよく聞くパターンだわな。レイプだけで済むってヤツ。




つーか、なんか言いたいんなら、反政府レジスタンスなんてのを出すなってところから文句付ければいいやん。
関っておき、入れ込んでおきながら、そこからなにもかもが上手く行き、国そのものすら好転する話じゃなきゃ「陳腐」ってのは違うだろう？
そーいうチープな話も大っ好きですとも、読みますとも。
そして、物語りの中では幸せであって欲しいから、酷い目に遭う話は避けるのって人がいてもそれは全然いいと思うですよ。
でも、なんで幼稚ってふうに見下すんだろう。
“現実はこんな程度じゃないよ”でしょうが、普通なら。
なんでありえない展開、なの？　わかんない。レジスタンス捕まったら大人は殺されるでしょ、少女いたらレイプされるでしょ、少年いたら嬲られるでしょ。
いくら情報鎖国な日本でも、ネットなんかじゃ散々流れてるでしょ、そーいうニュース、紛争地帯が今世界にどんだけあると思ってるんだよ。
そんなこと、現実にありえないってどういう態度？
エロゲーみたいな設定ってなにさ。
ラノベらしくない、もう少し夢をっていうふうに非難しろよ。


上手く書けてない、ならいい、この展開は好きじゃない、もいい。
なんで展開を「子どもっぽい、幼稚」というふうに馬鹿にするのさ。
私は、そっちが気持ち悪い。




と、のっけから飛ばしてみましたが、作者たん、、、せっかくガユスとかギギナっていう傍観者キャラクタがこちらにすでに用意してあるんですから。


なにもレメディウスに視線入れて話を進めないでもーっ？！
それ、巻き込まれただけとはいえ超被害者、うわぁぁぁん、痛い痛い痛いorz




で、↑こんだけ、レメディウスが酷い目にあっておいて、彼は敵だったりするのがこの話です。
んでなんか、２ちゃんのスレでさ。
・レメさんが、レジスタンスの男たちの、武器を直してあげるシーン好きだ。ｗ
・俺も俺もー。


というよーなやり取りを見た時になんだか涙ぐんだ。
騙されてるよ、騙されてるよorz
もとい。
そーんな展開をして、なけなしってくらい救いとすら呼べないような、どっかの黒幕がその軍事政府をぶっ潰すような顛末はあったけれど。
（いや、某宗教関係者、１巻とか巻頭とかでまあばればれ。）
それ、別にネタバレだとすら思えない。
どうでもいいよね、どうでもいいって、その黒幕本人ですら思ってる。
普通に人間の中にいては、息苦しくなるだろうというくらいに真っ直ぐだったレメディウスのことを、愛おしく思ってた彼だけれど。
全てが終わってから、そんな八つ当たりめいたことしか出来ない。
そのレジスタンスと対立してた「軍事政府」が悪いとすら言い切れない、言い切れないというか、そんな人間はどこにでもいる。どこにでも湧く。
とてもよくある展開なんだ、本当に。


そぉんな話に最後まで物好きにも付き合っても、日常のシーンが微笑ましいって思えるのは、むしろ作者に勝った、、、というかなんというかそんな気がする。
それでも健全に物を見るってのは、なんかいいな。




それにしても、あらすじを語る気がないのか。
つーかネタバレ考慮とかしないのか、とか自分で思うんですが直りません。
正直何度も削ったですよ、何度も本音を隠して笑える内容にしようと思ったりもしましたよ、この話がリアリティに満ち溢れているなんて思ってない。
この本が苦しみを伝え切れてるなんて思わん別に。


でも、悪趣味じゃあない。
未熟とか、感傷的とかそーいうものだろうこれは。
レメディウスの嘆きは、どんだけかけらっほどであっても、それでもやっぱり、それこそ陳腐なんだけど「現実の嘆き」だと私は思う。


でも毎度上手く反論できないんだよ。；
こんな辺境でこそこそ吼えてるのは見っとも無いなorzしくしく