「閣下とマのつくトサ日記!?」
- 作者: 喬林知,松本テマリ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2002/05/01
- メディア: 文庫
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高テンション喋りが苦手なのは、ひょっとして同族嫌悪かなぁと思いつつ。でもやっぱり読み飛ばしたり視線斜め上っちゃったりするんですが。
ラノベ止めりゃあいいじゃん、とは思うんですがねぇ。
最近は一般小説にも皆無じゃないしな。。。
(異常事態に対する高テンションは正しいので歴史系のは平気っス。)
しかし、クマハチは可愛かったです。
この本は、短編集らしくて、元プリ殿下な三兄弟の、三男/長男/次男の話が一個ずつ、、、って、毎度のことながら誰が主役なんだかわかんねー話だなぁ。
魔王さまな主人公・ユーリが出てくるのは三男の話と。
次男の時には受精卵にもなってない魂状態。
なんか結構、どの話も好きかもしれん。
そしてつなぎの、編集者と暴走超絶美形教育係はかなり苦手ですorz
真ん中の話は、長男と腐れ縁に幼馴染な毒女アニシナちゃん。
つーか、「毒女」って2ちゃんのあれなのかなぁ?
独身女性板ってのがありまして、これの通称が毒女、まあ毒男ってほうがちょっぴり有名ですが(所詮地域限定、知られたところで一過性)。
そして、その毒女さんの書いている本のタイトルが某ハリー・ポッター、しかしてどうもこう、方向性が違いすぎてなんか確かに字面は似ているのに認識しずらいという正しくないパロディな気もするのですがそれもまあどうでもいいことです。
墓場や患者やら出てくるのが悪いんだよね、グロテスクっていうかはっきり悪趣味で、当人が本気で悪趣味を自覚してるんだかしてないんだかが、いくら聞いててもちっともわかりません。
しかしこの、毒女さん、小ちゃくて可愛いみたいです。詐欺ってます。
ちょっくら高速回転しつつ自力で“肉”を丸ごと獲得しに行く挽肉製造機が、暴走したくらいで大の大人が泣くとはなにごとですか! と幼児時代の思い出として語る辺り、そのなんていうか、そこらのマッドサイエンティストなキャラクタとはちょっと違うような。
本気でこぇぇぇよorz
なんか微妙に具体的なんだ。とほほ。
小さくて可愛いものに弱い長男は、そのさすがに笑い話では済まない内面に悩まされつつ、意外と普通の愛情のようなものがあるんでしょうか。
その描き方もまた曖昧でどちらとも取れるのがもどかしいのですが。
そこらの801(質問不可)よりよっぽどどきどきします。
お、思いとどまるんだグェンダル(長男)。。。
『ロメロとアルジェント』(この異世界の有名な童話?)はやっぱり極フツーにグロテスクだと思いました。まる。
ラストの話は、暗〜いへたれ男が、愛した女の魂を抱えて。
異世界からこちらの、「地球」に飛んできて。
得体の知れない襲撃を受けつつ、逃げ回る話です。
んー。
次男を助ける、移住民の家族の生活って、なんとなく真に迫ってるような気がするんだけど映画かなにかなのかなァ(私もそーいう判断出来ないしね)。
ガンダムをたくな医者の機関銃トークを受け流しつつ。
(あれは実に受け流しやすいです、意味がわからなくても問題ないとはっきりしてるところとか特に!)
真ん丸な魂って言葉が、妙に頭に残ってます。
若くして、理不尽な事態に巻き込まれて、人のために躊躇いなく身を投げ出して、自分を愛する男を二人も残して(その辺どうなんでしょう、なんか死後に微妙にその男ども、通じ合っちゃってんですがー)。
そいで、全く未練なしですか。
そうして未練がないってこと自体にも、打ちのめされたり、いやいやそれでいいんだと思ったりするのが、へたれてなくても男だというような気もします。
それでまあ、そういうぐたぐたも「いいもん」なんだと思います。
人間らしいよね、いや半分魔族だけど。うん。