「今日からマのつく自由業!」

今日からマのつく自由業! (角川ビーンズ文庫)

今日からマのつく自由業! (角川ビーンズ文庫)

≪密林.com≫


NHKでアニメ化されて。。。
微妙な扱いを受けているんだっけかそうでないんだっけか、見たことはないでもないんですが、高テンション喋りって苦手だからものの30秒で挫折。
まあ男性なんかも見てるみたいですし、結構人気あるのかなぁ、やっぱり。


えーと、自由業ってのは「魔王」、高校生が異世界にトイレから吸い込まれて、んでもって魂がどうたらって言われて。うん、次代魔王だから世代交代してねー、と女王様からお達しされたとかなんだかそんな話。
帯にあった文章、え、魔王って自由業なんですか、とかいうの好きだったんだけどな。
今は有名になっちゃったからイメージ違っちゃったか。
ちょっと、なんつーかがっちゃがちゃした感じの話。


主人公ユーリは平均的な日本人。ちょい熱血元スポコン少年。
(ホントの名前は有利/ゆうり、からかわれるそうだ。だろうね。。。)
頭に血が昇ると時たまやっちまって、やっちまった後で後悔するんだけれども、また似た状況になると繰り返してしまう子。それで野球を止める嵌めになってるし。


そんなにゲームは好きでもないけれど、やはりそこは現代人の男の子、異世界に呼び出されましたよ。
なんかいきなり敵に捕まっちゃったけど、なんか脳の蓄積記憶だかなんだかを呼び出してくれて言葉が通じるし生きてるから結果おーらい。その後、味方陣営に救い出されたら。
なんか非常に美形揃い。
まあそんなことはさておいて。


なにを倒せばいいんだ、ドラゴン? 魔王? と聞いたらば、ドラゴンは希少動物で保護が掛かってるし、アナタご自身が魔王じゃないですかー。w
というお返事。
しかもこの世界、人間と魔王が敵対してんだよねぇ。
最近の本だとかなりディープな域にまで達しているけれど、一冊めからなかなかキツい展開になってるね。


魔族が人間の難民を受け入れる。
その村が国境の近くに作られている、これを周囲の人間が焼きにくる。魔族は強力だから同族なのに魔族に関る人間に矛先が向く。
子どもばかりのなんとか生きている、そもそも他に生きていくための選択肢なんかなかったささやかな村を焼く。
そこに魔王サマの怒りが爆発。
仕組みはいまだによくわからないのだが、別の人格が出てきて水戸黄門等時代劇をイメージしているのだろう啖呵を切って。
かなり一方的に断罪する。
弱者の味方ではあるのだが、なんつーか独善の匂いのするヒト(人格)である。
ユーリ本体と両方が怒ってる時はまあ問題ないだろうけどねー。
武器は魔術、なのになんでか叩き切る、みたいに言うそうな。
なんか細かい突っ込みですな。。。


魔王になって、魔族と人間との争いを止めさせよう!
という意味でユーリは即位を決意する。みたいな話だ。
偽善者だよね、聞いただけだととっても偽善者だし、読んでもその感じは拭いきれないだろうね。


ていうか当人認めてるし。
日本人って甘い甘い甘い、平和ってのの意味ってあまりにも重い重い、なーんも出来ない力のない自分に歯噛みして。
それで他にはなんの方法もない。
日本の甘ったるい理想を掲げても、そもそも望んでいる者もいない世界。
価値観も違う、休戦といっても戦争反対といってもいまいち概念が伝わりにくい。


他になんも出来ないから、だから偽善者になるしかないとその道を選ぶならば、もう誰かがなにか言うようなことでもないやね。
この本は、多分そんな話じゃないですよ。w
パターンの引っ繰り返しとお約束に笑ってるうちに一冊になってると思うよ。
でも、すでにこの本からそういう話だったんだなと、読み進めていくうちに思えるのではないかな。


そんな決意を、ノリでしてしまう主人公のお話しです。頑張れ。
超頑張れ。w